FUJIFILM X Series Facebookより 春待ち雪景

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】

「春待ち雪景」 秋田県 由利本荘市
FUJIFILM GFX 50R + FUJINON GF32-64mmF4 R LM WR

いま富士フイルムスクエアで相原正明写真展「和美・KATACHI(わび・かたち)」を開催しております。今回は新しいモノクロフィルム ネオパン100 ACROSⅡで撮影した日本の風景と造形美の作品を展示しています。

連日多くのお客様にお越しいただいていますが、特に今回は風景系写真展では珍しく20代のお客様がとても多いです。とりわけ女性のお客様。皆さん、モノクロで写真を撮ってみたいという方がご来場されている。男性のお客様と異なり、スペックやテクニックではなく、撮る時の気持ちやコンセプト、自分の内面との対話を聞かれる方が多い傾向。もしかしたら、このように直観で判断し物事を見る力のある方は、写真に向いているかもしれない。

そんなお客様から一番多かった質問が、「風景写真を撮りたいけど、車がないので山奥に行けない。免許がないので機材をもって大自然に行くのが難しい」など。それはとてもよく分かる。でもある意味では少し誤解がある。風景写真=大自然、あるいはネイチャーフォトばかりではないと、僕は思う。なぜならば、ネットで風景写真を表現するときに使う英語のLandscapeを検索すると可算名詞 (田園風景など一目で見渡せる)景色、風景、見晴らし、眺望.あるいは〈住宅地などを〉(造園術で)美化[緑化]する と出てくる。決して大自然だけではない。

僕は、風景写真=大自然の花鳥風月とは考えない。それともう一つ、安土桃山から江戸時代の山水画にも、大きな風景のなかにお寺や橋、あるいは農家なども書き込まれている。そう考えると身の回りの人工物がある景観も充分、風景写真として成り立つと思う。だから風景としてみれば、大自然に行く時間や機会がない方でも撮影できるはず。大都会のビルを山に見立て、高速道路を川に見立て都市の風景として作品を創り上げれば、立派な風景写真。もしくは郊外の里山や本当にどこでも撮れるはず。

今回は秋田県の鳥海山に雪を求めて撮影に行った。ところが現地に着いた頃から風と雪が激しくなり、暴風雪警報が出た。山に一人で入るには危険すぎる。どうしようかなと車を運転していた時に、目についたのがビニールハウスの骨格だけが残る雪原。とてもフォトジェニックだった。そして今の時期しか撮れない風景だ。風雪に耐えて春を待つ農家と大地の気持ちが出ている気がした。何かツボにはまり、気が付いたら1時間近く撮っていた。撮影はすべてモノクロだったがフィルムシミュレーションをACROS + YeフィルターとACROS + Rフィルター、そしてアスペクト比を4:3、16:9、25:64、1:1とGFXのスペックをフルに使い撮影した。身近な風景でもアートにしてしまう。それがラージフォーマットの魔力と魅力。

これはフィルム撮影の時も変わらない。被写体に応じて、表現に応じてGFXシリーズのラージフォーマットを選ぶか、あるいはACROSⅡの銀塩ラージフォーマットの世界を選ぶか?それはあなたの心の中に見えた光に対する気持が決めてくれるはず。ただラージフォーマットのデジタルと銀塩フィルムの世界の両方が表現できるのは富士フイルムだけ。2つの表現方法を体感してほしい。





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by masabike | 2020-02-29 23:39 | 日本の風景モノクロ | Comments(0)
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