紅葉寒雨図 FUJIFILM X Series Facebboより転載

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紅葉寒雨図

長野県 乗鞍高原

FUJIFILMGFX50S+FUJINON100-200mm

雨を味方にすることが、風景写真の極意の一つだと考える。風景を本格的に撮り始めたのは、1988年にオーストラリアのアウトバックと呼ばれる荒野にバイクで旅してから。世界で最も乾燥した大地と呼ばれるオーストラリアの内陸。あまりの暑さと乾燥で、汗が毛穴から蒸発し、酷暑なのに暑さで額に汗をすることがない。

乾燥した大地は、ほぼ毎日快晴。毎日が絶好の撮影日和。だが1998年より同じオーストラリアでもタスマニアの撮影を始めて状況は一変した。ほぼ毎日が雨もしくは、霧雨か曇天。なぜならばタスマニアは世界でも稀な気候帯 冷温帯雨林、その大地は40Degree Southと呼ばれる、南極の南緯40度の暴風雨圏に入っており、毎日 南極からの重く冷たく湿気を含んだ風が吹く。その風が雨をもたらす。そして1日に四季があると呼ばれるぐらい天候が目まぐるしく変わる。40Degree Southは別名ローリングフォーティーと呼ばれる。ここまでくると船が40度ローリングして揺れるからだ。だからタスマン海峡は世界3大船の難所と呼ばれている。

そんな荒れ狂う天候の大地で撮影し始めて、毎日がどう撮影してよいかが謎だった。そして壁に突き当たった。だが壁を打ち破る答えは地元の写真家の作品にあった。彼の名前はピーター・ドンブロフスキー。タスマニアが生んだ偉大な写真家。彼の作品はヨーロッパでも人気が高い。タスマニアのすべての、家庭、職場、そして建物に彼の作品が飾られていると言われているほどの国民的写真家。彼の作品の特徴は、晴れの日がない。雨か霧雨、もしくは曇の隙間から薄日が差している。少し日本画的要素も取り入れている感じもするし、ミレーの絵画のような色使いも感じられる。彼はめまぐるしいタスマニアの天候 特に雨を味方につけて、作品の最大の武器としていた。雨を味方につけることで、平凡な風景や、ただきれいなだけの絵葉書的な風景をOnly oneの独自の世界にしている。タスマニアを撮っているとき、いつも心に念じていたのは、目の前雨や荒れる天気をドンブロフスキーならどう撮るだろうか?常に彼は僕の心の師であり、目標であり、そしてライバルでもあった





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by masabike | 2019-11-21 07:45 | 日本風景 | Comments(0)
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