"Standing" FUJIFILM X Series Facebookより転載

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】

「Standing」神奈川県横浜市 横浜ベイブリッジ
FUJIFILM X-H1 + FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR

普段僕は意外と、不動産広告や建築の仕事が多い。しかも不動産の広告は皆さんが週末に新聞のチラシや、駅のポスターで見るようなマンションの広告を撮影することが多い。外観もあればモデルルームもある。だから僕はネイチャーフォトグラファーとか名乗っていないのですが(笑)

建築や不動産の仕事は、風景ととても似ている。なぜなら相手が巨大で動かないと言うか、動けない。だから撮影前にロケハンと平面図、立面図、日影図、あるいは設備図とにらめっこして、建物が美しく見える角度と時間を捜す。更にお施主さんや建築家の意向を最大限に生かす。特に建築家は設計やデザインの時に、イメージする角度や絵があるので、それを充分表現できるように撮影する。ただ実は建築と言っても、大きく分けるとビルや家屋のような建物と、橋やトンネル、あるいはダムなど土木と2つの流れに分かれる。2015年、富山・高岡のミュゼふくおかカメラ館での写真展で、富山の風景という事でダムを撮影して以来、ダムとか橋とかの土木系の建造物の撮影にとても写欲が湧く。水をせき止める、道を支えるなどシンプルな目的のための100%の機能美。その無駄のない機能美を、どの角度からどの時間で撮ると、自分がイメージするダムや橋の力強さが出るかなと、毎回建築物と向き合い対話して撮影する。これは風景を撮る時とまるで同じ。山の代わりにコンクリートの壁のダム、木の代わりに鉄骨の橋である。なぜか日本のネイチャーフォトを撮る方は人工物を毛嫌いするか、撮らない人がいる。やはり究極の機能美は自然界の風景に通じるものがあると思う。昔の山水画でも、景色の中に寺や橋を入れている。石元泰博の桂離宮、マーガレット・バーク=ホワイトのダムとかもぜひ参考にしてほしい。自分が今、撮りたい建築物がある。飛騨の山中にあるスーパーカミオカンデ(実は以前、ある出版社の企画で撮影する予定がキャンセルになった。今でも大変心残り)奇蹟に近い確率の、宇宙からのシグナルを捕まえるためだけに作られた構造物。「人類が創りだした究極の風景」、「地球と宇宙をつなぐ風景」として撮影したい。ネイチャー系の方も、「人工物なんて」と食わず嫌いなことを言わないで、秋になり光がシャープになってきたこの頃ぜひ、建築物を撮ってほしい。被写体と向き合い対話することは、ネイチャーであろうが人工物であろうが変らない。そして撮りたい気持ちと、心の感動をいつもXはサポートしてくれる。




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by masabike | 2019-09-21 09:59 | 建築土木 | Comments(0)
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