南の風の色

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FUJIFILM X Series FBより転載


【和の「写心」By Masaaki Aihara】

「薫色」沖縄県 那覇市
FUJIFILM X-T3 + FUJINON XF56mmF1.2 R

那覇の街を歩いていると、風の薫りにさえ色がついている気がした。市場に並ぶ南国特有の色とりどりの魚たち。そして行き交う人々やお店に並ぶ衣装が、本土とは違いとても鮮やか。だから体を通り過ぎる風にさえ色の薫りを感じる。

沖縄に来たのは24年ぶり。でも前回は那覇の街は、素通りで、石垣島でロケだった。初めて那覇に来たのは1977年、大学1年生の時。夏休みの旅で、写真を撮る旅だった。当時は大学でフォトジャーナリズムを勉強していたので、モノクロが中心だった。だから世界を見る視点もモノクロームだった。だから当時は那覇の色彩というのは、記憶に残っていない。残っているのは強烈な真夏の日差しからくる強い光と影だった。

今回、X-T3と初めての旅だった。那覇に着いたとき、オーストラリアと同じ光の気配を感じた。迷わず僕は空港でフィルムシミュレーションをベルビアにした。路地から市場に続く道を歩いていると、その色彩が強烈だった。それを心に感じるままに捉えたくて色設定を変更した。いつもはColor 0のところを+2にした。東京ではありえない色になる設定でも、ここではちょうど良い色に感じる。そして商店の軒先に飾られるシャツの色が僕のレンズをいざなう。そしてこの強烈な色彩感を余すことなく表現する新たな武器がX-T3には搭載されている。カラークローム。今までは最高峰機種のGFXにしか搭載されていなかった機能だ。色飽和を抑え、濃厚な色のグラデ―ションを再現してくれる。またXの色の世界が進化した。心のままの色が撮れて満足した僕は、より旅を楽しみ歩みが軽くなり、さらに那覇の市場を歩き続けた。心の満足が得られるXは旅の楽しみを増やしてくれる。

でもなんで学生時代にこの色に気が付かなかったのか?心の中で反芻した。答えは1つ。若すぎて旅の空気に飲まれてしまい、空気を見ていなかったことだと思った。歳とともに心も進化と変化をする。そしてXシリーズも常に進化する。あと10年後、再び那覇に来たら次はどんな色を僕は見つけるのだろう?どんな変化があるのだろう?でも変わらないこともある、10年後も僕は、未来のXと旅を続けているだろう。新たな光と色を追い求めて。

 





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by masabike | 2018-12-16 09:01 | | Comments(0)
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