カメラは写真を撮る道具

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昨夜 ドイツ ケルンで行われているフォトキナでこれからの写真業界を変えるようなカメラがいくつか発表された。新機種発表は世界最高峰の映像イベント フォトキナならではと思った

これでニコン キヤノン ソニー パナソニックと4大メーカーのフルサイズミラーレスが出そろった。そしてFUJIFILMからは中判デジタルが雲の上の存在ではなく、身近な必需品となるようなGFX50Rも発表された

いよいよミラーレス戦国時代の幕開けだと思う。またあらたなるハイスペック競争のはじまりも感じた。新しいカメラあるいはフラッグシップモデルワクワクするが、こんな時だからこそもう一度立ち止まりどんなカメラが必要か考える時だと思う。人はそれぞれ持っている予算や時間に限りがある。何でもかんでも買うわけにはいかない

新型カメラを買いたくなるのは解るが、カメラを購入する人は2つの流れがあると思う。1つはカメラ好き。カメラのメカやあるいは操作することが大好き、あるいはもつことが無上の喜びの方。この場合はどんどん買っていただくしかない

そしてもう1つが写真を撮る道具、作品を撮る道具としてカメラを買う。この場合は冷静に考えてほしい。最終的には作品を作り、それを個展あるいはイベントで発表すること。つまり作品がゴールでカメラは単にプロセス。この場合はカメラにあまり投資すると、作品がおろそかになってしまう。カメラやレンズを買ったばかりに、作品にかける時間やお金がない。これでは本末転倒。作品を作りあげてなんぼ、あるいは作品を撮るための感性や眼力を養わなくては、カメラはただの箱に成り下がってしまう。

うちにもGFX50SD5と言う2つのフラッグシップモデルがある。かなり良い金額だ。でもこの2つを買い揃えたのにはわけがある。作品作りにどうしてお必要だった。僕の作品制作のためのOnly oneの存在だった。GFX50sは高画素でかつ25:64のパノラマアスペクト比がとれる唯一の存在。掛け軸風の縦パノラマを撮るためにはこのカメラ以外存在しなかった

Nikon D5 比類なき高感度性能とAF性能 ISO6400~20000を常用として夜の鉄道の世界を表現するにはこのカメラの存在なくしては不可能だった。そしていずれもカメラを買う前にこうゆう世界観を撮りたいという、コンセプトとイメージ絵コンテが心にあった。心の中を具現化するためにこの2つの最高峰機材を買った。高い機材を買ったら自分の不足分をカメラが補ってくれると思い買ったことはない。良い機材を買ったらよい写真が撮れるかもしれない。それは大きな間違えだと思う。撮るのは人でカメラではない。

 50万円機材を買うのと、50万円かけて作品撮りの旅あるいは、写真展を行う、あるいはしっかりしたポートフォリオを作りあげるどちらが、写真力がのびるか?答えは後者だと思う。カメラやレンズは撮ることの手助けをしてはくれるが、撮ることの視点や感性、コンセプトは与えてくれない

特にプロを目指すならば、何が必要か見極めるべきだと思う。もしこの記事をドイツで読んでいる方がいたら、フォトキナの会場も素晴らしいが、ぜひ時間を作りベルリンに行ってほしい。ベルリンはやはり欧州のアートの中心に戻りつつある。フォトジャーナリズムや写真文化の多くがベルリンから生まれた

多くの美術館もある、ヘルムートニュートン写真美術館、CO BELRINなどの写真関係も多い。そうゆう感性が研ぎ澄まされた地であるからこそ、それを表現するためにライカやツアイス ローライ コンタックスが生まれてきたと思う。もういちどカメラが生まれ写真文化が生まれた背景を見て学んできてほしい。

撮るためにどうしてカメラが必要か?ミラーレス戦国時代の幕開けの時だからこそ、もういちど自分の心と対話してほしい。









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by masabike | 2018-09-26 10:51 | 写真アート | Comments(0)
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