器の中の宇宙 FUJIFILM X Series Facebookより


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【和の「写心」 By Masaaki Aihara】

「器の中の宇宙」京都
FUJIFILM X-H1 + Carl Zeiss Touit2.8/50M

良く写真展やフォトコンテストで「和」をテーマにしたものを拝見すると、多くの作品が竹林、鯉、お寺、お神輿を被写体にしている。確かに間違いではないし、「和」と言われると思い浮かべてしまうのも無理もない。でもこれではインバウンドの人たちが撮るのと変わらないか、あるいはインバウンドの人たちの方がもしかしたら、もっとユニークな「和」を撮るかもしれない。つまり、うわべだけしか見ていなくて、本質は見ていないかもしれない。

僕は「和」を撮れと言われたら、それは事象や物を撮るのではなく、その物の背後に潜む精神性や、あるいは作品のコンセプトやコンポジションだと思う。以前、オーストラリアで個展をした際に、現地のキュレーターの方から「あなたはオーストラリアを撮っているのにとても「和」を感じる。「和」の風景のオーストラリアを初めて見た」と言われたことがあります。そのキュレーターの方は日本のある有名な美術館のコレクション展をオーストラリアの国立博物館でキュレーションしたことがあるほど、日本文化に精通している。けして、うわべだけで見てはいない。

「和」の写真と言われたら、お椀に盛られた白いご飯でもよいし、玄関にきれいにそろえられた下駄のはなおでもよい。あるいは凛と立つ竹ぼうきでもよいと思う。コンセプトと空間が大切だと思う。ゴールデンウィーク京都に観光に行った。5月はしばらくオーストラリアの奥地に行ってしまうので、少し贅沢をして老舗の料亭で食事をした。約400年続く京都で一番古いと言われるお店だった。
食事は無論おいしかったが、それよりもお料理の季節感と盛り付けが美しかった。まさに小さな宇宙だった。利休が小さな茶室に宇宙を感じさせたが、京の料理は茶室よりはるかに小さなお椀に宇宙を見せてくれた。いま器に、薬味とお刺身が綺麗に盛りつけられているが、これは見方を変えれば森の中の小さなくぼみに苔の中に存在する小さな新芽にもみてとれる。森羅万象すべてがつながっている。料理を見ても自然風景写真に生かせるし、その逆もある。そしてこれこそが「和」の風景だと痛感した。

今回の料理は、普通の客間で普通の蛍光灯と外光のミックス光源。こんな旅で偶然出くわした瞬間にも、Xシリーズのホワイトバランスは気持ちよく対応してくれる。まさに富士フイルム80年の色の歴史と経験が生かされていると感じた。素晴らしい瞬間や出会いはいつどこであるかわからない、暗いバーかもしれない、あるいは、今回のような料亭かもしれない。そして限られた光源で、最高の画質を得るための大きな手助けが、ボディー内手振れ補正だ。かなりスローなシャッタースピードでもブレを押さえてくれる。その分ISO感度を低くできるので、暗いところでも従来よりも素晴らしい画質を得ることが出来る。X-H1はフォトグラファーが手振れよりもホワイトバランスよりもフレーミングとシャッターチャンスと言う写真にとってもっとも大切なことにフォトグラファーを集中させてくれる。ぜひ大切な一瞬を、気持ちのままに撮りたいと感じたらX-H1を手に取ると良い。撮る楽しさ気持ちよさがそこに見えてくる。





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by masabike | 2018-06-07 07:30 | 美味しい食べ物 | Comments(0)
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