デジタルになって一番ありがたかった点は、おいしい時にフィルム交換をしなくてもよくなった点だ。特に夕暮れの波。波に夕日の色がかぶりだすころは一番
風景写真にとっておいしい時間。このような時間帯にフィルムを交換していると、ハラハラドキドキ。意外と日没で太陽が沈んだり、月が昇るスピードは速
い。撮影に夢中になると、フィルムの残数を数えるのを忘れる。そんなときにフィルムが終わり、波の上に良い光や、月が顔を出す。でもデジタルになりそん
なことは関係なくなったみたいだが、やはり注意しないとカードの容量がおいしい時間に限り、残り少なくなる。X-T2&X-Pro2はダブルスロットル。僕はいつ
も32GBのカードを2枚入れて、連続にしている。64GBのほうが良いのでは、言う人もいるが、盗難やカード事故にあったときに無くなる画像数を考えると、3
2GBにしている。以前もここで書いたが、波と雲はたくさん撮ったほうが良い。まさにこの日はそんな日だった。気が付いたら、小一時間で40GBぐらい撮っ
ていた。残り撮影可能カット数が20とファインダーに表示されて驚いた。撮れれば撮れるだけ、やはり写真家のサガなのだろうか?
そういえばX-T2になって夕暮れの撮影はとても構図が作りやすくなり、シャッターチャンスに集中できるようになった。その理由は、ファインダー外枠表示が
されるからだ。夕暮れの海を撮影していると、薄暮から夜間になるころはどこまでが画面で、どこからがファインダーの枠か、画面と枠の境目がわからず以前
は水平線で絵が切れてしまったことがあった。今はグレーの線が表示され、暗いところでも境目が明確に分かるようになった。
風景では構図が最大の命。無駄なく、かつ自分の意図したとおりに構図ができる。X-T1からX-T2への進化の中のほんのわずかな改良点だが、写真家にとり、大
きな喜ぶべき進化だった。すべては撮り手のために、Xシリーズの進化は常に撮り手のためにある。X-Pro1からX-Pro2、X-T1からX-T2、X-E1からX-E3、そし
て多くの無償ファームアップ。常に撮る人のこと、最高の瞬間を考えての進化。秋から冬に向かう、風景写真のおいしい季節。ぜひお手元のXシリーズのファ
ームを確認して、最高の状態で光と影との戦いに挑んでください。そして最高の作品が撮れたら、ぜひ富士フイルムフォトコンテストに、ご応募ください。お
待ちしております。
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