いよいよ今日から、富士フォトギャラリー大阪で「音と光の間 桂 花團治襲名を通してみた落語の世界」写真展です。そして今晩はサッカー ワールドカップ アジア最終予選 Japan VS Australiaです。もちろん応援はJapanです 笑
そんなわけで、今日は写真展会場で 元日本代表 ガンバの遠藤のTシャツです。そういえばワールドカップやオリンピックが近づくと「相原さんはオリンピックとかサッカーの試合を撮りにいかないんですか?」と聞かれます。答えはいつも、「いかないです」です。僕はスポーツにたけたフォトグラファーではないので撮れないから行かないです。と、ご説明します。でも多くの人は「でもいい機材もっていけば、プロなんだから撮れるでしょ?」と聞かれますが、「いいえ」と答えます。スポーツの写真の世界そんなには甘くはないです。オリンピックで僕が撮れるのは、せいぜい開会式ぐらいです。試合に関しては素人よりも上手には撮れるかもしれませんが、ケースバイケースです。たとえば下記のような場合はどうでしょうか?
1プロフォトグラファーが撮ったサッカーの試合
2プロフォトグラファーだけどサッカーの試合撮影経験なし。機材は最新のハイスペック
3アマチュアだけど サッカーに精通していて、いつも試合を趣味あるいは記録で撮っている。機材は最新のハイスペック
4アマチュアあるいはメディアの記者だけど、超ハイスペックのプロ機材を持っている
1~4の場合誰が一番上手に撮れるか?答えは僕は下記のようになると思います
1、3,2、4です
よく最新の機材があれば、アマチュアでも記者でもプロフォトグラファー並みそれ以上に、よい作品を撮れるという人がいます。そう発言する、プロカメラマンすらいます。それは大きな間違えです。もしプロフォトグラファーでそうゆうことをいう方がいらっしゃったら、残念ですがその方はスポーツ写真のすごさと真髄がわからない方だと思います。
その訳は、試合や競技の流れを予見予知する能力、そしてその未来の時間に対して対応することが不可能だからです。
例えばサッカーであれば、ボールウォッチャーでは撮れません。本田圭佑が、ピッチのここを見たら、逆サイドの長友が走るとか、バレーボールでセッターがこのポジションだったら、前衛ではなくバックの選手にバックアタックのトスを上げるとか読みそして反応できないと無理です。サラリーマン時代、会社がキリンワールドバスケットというイベントをしていました。記録係で試合を撮りに行ったのですが、最初のころは選手の動きにまるで目が追い付かないです。やぅっと動きが読めて撮れるようになったころ(それでもお笑いぐらいの作品でしたが)イベントは終了しました
。また知り合いの広告系フォトグラファーがタレントさんでレーサをしている人に頼まれて、バイクの鈴鹿八時間耐久レースを撮りに行きましたが、彼はバイクレース未経験。行く前に、ほかのスポーツ専門に代わってもらったら?とアドバイスしましたが、「大丈夫だよ、俺もプロで20年やっているから」 1週間後、彼から連絡があり「フィルムで400本撮ったけど、バイクがきちんと写っているのが1枚もない(1990年なのでフィルムです)誰か相原さんの友達でレースカメラマンがいたら、タレントのxxxxさんのマシンが写っているカット売って欲しい」と頼まれました。こんな具合です。カメラ機材が進化したら、例えばLUMIXやSONYなどの高速連写機能が進んだら、プロスポーカメラマンよりもハイアマチュアや記者が上手に撮れるというのは大きな間違いです。いくら連写しても、駒と駒の間には『間』が存在します。決定的瞬間はその「間」に
潜みます。その間を見つける、決定的瞬間が試合の場面に来るか見極めるのが、プロの眼力です。そういえば昔、太平洋戦争の撃墜王 坂井三郎氏が「空中戦で機関銃を撃つときは、連射はしない。ここぞというときにパパッと撃つ」と仰っていました。写真も射撃もプロの技が第一で機材は単にそのサポートです。機材に溺れるフォトグラファーは機材にしっぺ返し食らいます