FUJIFILM Face Bookより 桜鉄道

FUJIFILM Face Bookより 桜鉄道_f0050534_07352791.jpg

【和の「写心」 By Masaaki Aihara】

「観桜列車」
山梨県 勝沼ぶどう郷駅付近 スーパーあずさ
FUJIFILM X-T2 + FUJINON XF10-24mmF4 R OIS
ISO640 高速連写(CH)
フィルムシミュレーション ASTIA/ソフト

この数年、勝沼に桜の咲く時期はよく通う。そしてここでの一番のお気に入りは中央本線勝沼ぶどう郷駅付近の桜並木。ここを通過する列車を撮っていると、写真を始めたばかりの小学生の撮り鉄少年に気持ちは戻る。でも実はこの作品とても難しい2つの要素がある。

一つは桜の色再現、もう一つは列車のシャッターチャンス。桜の色は、数ある被写体の中でもっとも色再現が難しいもののひとつ。リバーサルフィルムの「PROVIA 100F」が発売当初、忠実な色再現と謳っていたが、撮影者から撮った桜と色が違うという指摘が何件かあったと、当時のフィルム担当から聞いたことがある。そこでオリジナルのフィルムを持って、撮影者と色合わせに現場に行った(当時はリバーサル現像2時間仕上げが当たり前だったので、即確認できた)。すると「PROVIA 100F」の発色は、花の色とほぼ同じであった。つまり撮影者の心の中で桜はこの色という固定概念が出来上がっていたことが分かった。それぐらい桜はイメージと実際のずれが大きい被写体。この日は午後の陽を受けた、やや赤みが強い桜を派手にならないようにASTIAを使い、彩度も少しコントロールした。またASTIAを選択することで、空のブルーのまだ肌寒い空気感が再現できた。

そしてもう一つは列車のシャッターチャンスが1秒あるかないかの短いこと。桜の枝から幹の間に列車が入った時の一瞬が勝負。なるべく画質も維持して速いシャッターが切れるようにISO640にして高速シャッター&11コマ/秒の高速連写にした。AFはこの場合、当初列車の位置に合わせていたが、来る直前、風で大きく枝が揺れ出したので手前の桜の枝に持ってきた。そして緊張の一瞬、僕のX-T2は2つの難しい条件の被写体を見事に捉えてくれた。

高速連写性、レスポンスの良いAF、心のままの色再現。色彩や色再現が求められかつ動きのある被写体にX-T2は最適な被写体捕獲マシンだと思う。GW、色鮮やかな空を舞う鯉のぼり、新緑や花の中を走る列車やバイク、あるいは飛行機などの撮影にも強い味方。たのしく素晴らしい2017年GWの思い出、あるいは作品をきっとX-T2は残してくれるはずだ!
お試しあれ!!

 
Photography by Masaaki Aihara
http://fujifilm-x.com/ja/photographers/masaaki-aihara/
http://aiharap.exblog.jp/










by masabike | 2017-05-16 07:38 | 鉄道写真 | Comments(0)
<< 5月はやっぱりカツオ 土佐料理 FUJIFILM Facebo... >>