FUJIFILM X Sreis Facebookより 鉄道写真

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和の「写心」 By Masaaki Aihara】

「碧い時間」 富山県 富山地方鉄道 立山付近
FUJIFILM X-T2 + FUJINON XF16mmF1.4 R WR
ISO2000

日没の渓谷。碧い時間に空が重くなり雪が降り出す。立山連峰から水とともに寒気が渓谷に流れ込む。その時、ローカル線の列車が、一条の光の帯となり渓谷を通り過ぎる。この夕刻の時間から夜の時間の鉄道が大好きだ。大学生の時に北海道で釧路発札幌行きの夜行列車に乗った時だ。深夜、列車が狩勝峠に差し掛かると、車窓から月が見えた。僕は列車のデッキに行き、扉を開けて(70年代は列車は自動ドアではなかったです)夜の峠と月を身を乗り出して眺めた。月明かりに照らされた狩勝峠のループラインを走る夜行列車の明かりが銀河鉄道のように見えた。その光景は生涯忘れない。

そして僕はどうしても、そのイメージを写真にしたかった。夜の駅に行き撮影して、当時のASA400(昔の感度表示はISOではなくASAでした)のモノクロフィルムを、富士フイルムの増感現像液パンドールで現像してASA1600にしましたが画質はかなり荒れて、満足が出来なかった。当時のフィルムではISO1600の世界というのは未体験ゾーンの世界。フィルムや現像液の性能を超えた領域だった。

そして月日は流れ、Xシリーズの登場で高感度での撮影が可能になり、しかも色も画質も自分の満足にいく世界が撮れることを確認した。それ以来、学生時代から諦めていた夢のシーン、夜の鉄道を撮るのに時間を割いてきた。コンセプトは夜の風景の中の一コマとしての鉄道。この渓谷での撮影も、寒々とした、墨絵のような渓谷に灯りの暖かさを列車が運んでくる。そんなイメージで撮影した。高感度とそして感度を上げても破綻しない画質とカラーマネージメント。30年越しの学生時代からの夢の鉄道の作品をXは実現してくれた。
いつかは世界的名作のO. Winston Link氏の夜の鉄道写真集『Steam, Steel, and Stars』みたいな作品を作りあげてみたい。Xだったらそれを可能にしてくれるかもしれない。

 
Photography by Masaaki Aihara




by masabike | 2017-01-22 09:07 | 鉄道写真 | Comments(0)
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