FUJIFILM X Series Face book 11月30日より転載

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FUJIFILM X Series Face bookより転載


FUJIFILM X30

写真にとって一番大切なことはなんでしょうか?速報性?芸術性?いずれも正しいと思いますが、一番は記録あるいは記憶です。僕はプロの写真家です作品が写真のすべてと思っていました。だけどそれを覆すことがありました。今週、写真にとって一番大切なことは、思い出を鮮明にそして末永く残してくれること実感する人生のターニングポイントがありました。そして思い出の写真を見ることにより、そこでの過去の記憶、過去の思い出も鮮明に蘇ることだと痛感しました。フォトグラファーと言えども、どんな作品よりも、一番大切な写真が人生の記念写真であることを痛感しました

なんでこんなことを書くのかと申しますと、僕が生まれ育った家と庭を今週取り壊しています。築70年以上、大工の棟梁である祖父が、父と母の依頼で、手作りで建てた家です。そして僕はここで生まれここで育ちました。ある意味家はもう一人の親みたいなものです。ここでカメラマンになる夢も、その夢の途上の辛いこと楽しいこと、涙したこと、笑いあったこと。そして両親との数々の思い出。それをすべて清算します。僕の家には小さな庭があります。庭はそのまま残せればよいのですが、工事の関係で木の半分を切らなければなりませんでした。解体工事のはじまる朝、切ってしまう木に、1本1本お神酒と御塩をかけ「長い間一緒に暮らしてくれてありがとう。そしてごめんなさい」と声をかけてまわりました。この朝もつぼみをつけていた八重の椿。この木も泣く泣く切ることにしました。普段はいつもこの椿はベルビアモードで撮ります。

でもこの朝、僕の心はベルビアでの色には見えなかった。心は閉じてしまい、いつもの色を感じなかった。それよりもこの朝感じた重い心で感じた色をとらまえようとSTDを選択しました。X30のスーパーマクロで,つぼみのしずく一つ一つを残さず撮ろうと思いました。同じ花の色でもその日の気持ちで全然感じ方が違います。フィルムシミュレーションは見事に僕の心を表してくれました。そしてX30と同時に中判と35mmのアクロスでも撮影しました。10代から使っている一緒にこの家とともに人生を過ごした、フィルムカメラで我が家の最後の思い出を残すこともしました。そしてシャッターを押すたびに涙がこみ上げてきます。でも涙をこらえ撮影することで、この日を未来に残すことが出来ます。そしてそこには富士フイルムのフィルムとデジタルの色づくりが大事な存在となります。両親が太平洋戦争の空襲で逃げる時、真っ先に持って逃げたのは、お金ではなく写真のアルバムだったと言っていました

 人生の一番大切な時、二度と戻らない思い出と記憶をいつも富士フイルムのXシリーズそしてフィルムは、いつでも昨日の朝のようにとどめてくれます。あなたの人生を未来の子孫が見たとき、富士フイルムの写真技術はきっと鮮明に再現してくれると思う朝でした。

そして最後におじいちゃんのお家さん、どうもありがとう





by masabike | 2016-12-06 08:40 | ファミリーヒストリー | Comments(2)
Commented by pretty-bacchus at 2016-12-07 01:55
<この日を未来に残すことが出来ます。>>>

涙しながらブログを拝見しています。
感動をありがとうございました。
Commented by masabike at 2016-12-07 14:05
pretty-bacchusさんへ
私事でお恥ずかしい限りです
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