写真にとって大事なことは?


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 自分でもカメラメーカー広告やカメラ雑誌の記事を書いているので、なかなか心苦しいことがあった
先日、あるキュレーターの人と話していると「どうして、カメラ関係の媒体は、出てくるカメラマンがレンズの描写やカメラの機能、スペック、画像処理のノウハウやうんちくばかりなんでしょうかね?絵画で言えばたら、どのお店の筆がきれいな線が引けて何号で書くと、藤田嗣治みたいな線が引けますよとか、XX絵具の黄色のこの銘柄を買うとゴッホのひまわりみたいな、絵が描けますよなんていう人はいないです。それは絵具評論家や筆評論家と同じみたい。写真家とは呼べない」と言っていました。まさにその通りです。自分でもその片棒を担いでいるところがあり、耳が痛いです


 そしてのキュレータさんいわく、「デジタルになりメーカー系のギャラリーでやる多くの写真家が素人でもがんばれば撮れそうな作品が多いのが、つまらない。ほとんどの美術館のキュレーターは、現状ではメーカー系のギャラリーに昔ほど行かなくなった。その訳は素人に近い写真家が増えたから」と言っていました。確かにそれは反論の余地がないです。頑張れば自分でも撮れるかもしれない。そんな作品を作れば、親近感がわきカメラマンに人気も上がる、その人がすすめる機材も売れる。それはコマーシャル的にはとても大事なことです。でもプロの仕事は写真に限らず、素人が絶対に前出来ないものを創り上げることだと思います。絶対にこの写真家と同じものは撮れない、ならばせめても機材だけは同じものが欲しい、というのは昔もありました。実際に僕もそれで、鉄道の廣田氏にあこがれてニコンを買ったり、ペンタックスを買ったりしました


 ラーメン屋さんに行き、ラーメンを食べている時に「あっ、これだったら家で作れる」と思うラーメンだったらお終いです。バイクに乗ってこれだったら、自分でパーツを組んだらバイクが作れる。そんなバイクおしまいです。住宅でも、楽器でも、ありとあらゆるプロの仕事はマネが出来ないからプロの仕事です。



夏休、いろいろなものを見て考えて思うのは絶対に、これなら自分でも撮れると思わせない作品をどれだけの確立で、さらにどれだけ研ぎ澄ませて作るか、まだまだやることは山のようにあるな、そして時間はどんどん減って行くを考えさせられた時間でした。これからもより精進致します




by masabike | 2016-08-21 15:33 | カメラ | Comments(0)
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