地球のポートレイト FUJIFILM X series Face bookより

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「地球のポートレイト」

オーストラリア ノーザンテリトリー デビルズマーブルズ
FUJIFILM X-T2 + FUJINON XF10-24mmF4 R OIS
フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド
撮影協力:カンタス航空

2002年ここで僕はリバーサルフィルムの「FUJIFILM Velvia100」の広告の撮影をした。当時、フィルムの金字塔となるべく新フィルムの広告ということで、世界中のだれもが一度見たら忘れられない写真が欲しいという、ただ一言のリクエスト。いわゆるキラーフォトである。一枚の写真が見た人の心をわしづかみにする。そのための作品を撮りに向かったのが、オーストラリア大陸のど真ん中、デビルズマーブルズ。一番近い街、アリススプリングスからでも約500キロ。途中は何もない、アウトバックと呼ばれる真っ赤な砂に覆われた大地が続く。ここは火星かと思うくらいの荒涼とした赤い大地だ。

その荒野に突然、奇岩群が現れる。その数は数百個以上。いずれも直径が4~5メートルぐらい。砂漠の強烈な寒暖差が岩を砕き作られたと言われている。地震がほとんどない世界最古の大陸オーストラリアだからこそ、転がらずに割れずに何百万年、何千万年ありつづけていると思う。

今回、X-T2のテスト機での撮影をするときに真っ先に心に浮かんだのがここだった。理由はXシリーズ最強最高のフラグシップ機。その防塵防滴耐久性のテストと、強烈な赤い大地と奇岩の質感を撮るのはフィルムシミュレーションと高細密画質のテストにはうってつけ。そして夜には砂漠の上に満天の星どころではなく宇宙が現れる。それを撮ることは高感度性能と開放値の明るくクリアなフジノンレンズの描写には最適と思いここにした。そしてもうひとつ一番の理由が、ここを撮り「Velvia100」は写真の歴史に金字塔を打ち立て、ライバルメーカーを完全に凌駕した。そのレジェンドをもう一度X-T2の上に打ち立てたかったので、このデビルズマーブルズに決定した。

デビルズマーブル到着のその夕暮れ。沈みゆく太陽と二つの岩のコラボを撮っていた。陽が沈むと、まるで恋する相手を追いかけるように、西の空に月が沈んでいく。ちょうど二つの岩の間に!!空の色は恋い焦がれる太陽の紅が覆っている。まさに大地と太陽と月が作り出した、地球のポートレイト。刻一刻と変わる色、雲の位置、そして月の輝きは増し、空はますます漆黒が覆い、星が現れてくる。ここで今回のX-T2の隠れた裏ワザが役立つ。EVFのカスタム設定で、EVF表示映像に白い外枠表示が出る。これにより夜間や暗所で「どこからどこまで画面かな? 映像とファインダーの黒フチの境界が判らない?」そんな悩みも解決してくれる。風景や星空の撮影には最強だ。こういう細かいことは、多くのX-Photographerの意見を取り入れて作られている。

でも一番は、昼間は40℃近い気温、夜は3~5℃、龍角散のような砂塵の大地、そんな過酷な環境でX-T2はオーストラリア中央部で10日間頑張ってくれた。そしてX-T2の隠れた凄さは耐久性や画素あるいは4K動画ではなく、X100やX-Pro1から引き継ぎ円熟させてきた操作性だ。シャッターフィーリング、ダイヤル操作、手触り、そのすべてがスムーズに写真を撮る為に作られている。作品を撮るときにカメラのことを考えていては作品を撮れない。感じたときにカメラが感じるままに流れるように操作できる。あたかも水が山の高みから、大海に流れる自然の摂理のように。だからこそX-T2はどんな環境でも作品が撮れる。しかも撮る喜び、もっと撮りたくなる写欲を湧き起こさせてくれる。流れるような操作性、高性能のフジノンレンズ、80年の色の研究に裏打ちされたフィルムシミュレーション、よりパワーアップしたAF、そのすべてが優れた作品、一生心に残る思い出を写真にするために生まれた。X-T2にロックオンされたら、どんな色も光と影も、そして時間さえもそのレンズとセンサーからは逃れることが出来ない。いうなればX-T2は映像のブラックホールだ。

 
《トークショーのご案内》
7月22日(金)、「FUJIFILM X-T2で撮る光と影」と題して、相原正明さんのトークショーを札幌で開催します!ぜひお気軽にご参加ください。詳しくはこちら。
https://www.facebook.com/FUJIFILMXseriesJapan/photos/1027756247345736/

 

by masabike | 2016-07-15 08:24 | アウトバック | Comments(1)
Commented by pretty-bacchus at 2016-07-17 04:47
すばらしい〜〜ですね。
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