しずくの季節 FUJIFILM X Series Face bookより


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face bookご覧いただけない皆様にご提供いたします


しずくの季節

FUJIFILM X-T1 FUJINON50~140mm

撮影地 愛媛県 石鎚山 瓶ヶ森林道付近

 梅雨の季節。梅雨は嫌だなという人も多いけど、日本が一番 日本らしく美しい季節だと僕は思う。今年は少し雨が少ないけど、この空からいのちの恵みがしんしんと降る季節が日本の山と森と川と海を美しくそして、自然の恵みにあふれさせてくれる。

 この少し、もやった季節、湿度感は日本の美術にも大きな影響を与えている。絵師・長谷川等伯の国宝『松林図屏風』もたぶんこんな季節を書いたのではないかと思う。その日本が一番美しい、日本らしい季節感を写真に撮るのはとても難しい。艶のある桜も真紅の紅葉もない。富士山やアルプスなどの山も見えにくい。でもだからこそ、被写体の力に頼らず、自分の心の眼と自分のコンセプトで作品を撮ることになる。いわば一番写真家としての視点を問われると思う。よく昔から映像の世界では「子供と動物にはかなわない」という格言がある。これは被写体のかわいさが写真家の視点や力量に頼らず絵になってしまうからだ。被写体の力量の頼らない、いやと寄れないこの季節、撮り手の力量が試される。でも梅雨の季節もう一つ難しいことがある。それはこのしっとりした空気感、湿度感、それから煙る山並みや渓谷は、とてもグラデーションがデリケートで、フィルム時代は割と表現できた。だがデジタルになりこのグラデーションのファジーな部分が表現できない。だけどXシリーズ特にE2,T1あたりからフィルムシミュレーションがブラッシュアップされて、この梅雨の季節の湿度感が表現できるようになった。もちろん雨に濡れたアジサイの花や緑ももちろん、あなたの心の眼で見たままにXシリーズのフィルムシミュレーションは再現してくれる。

特に雨に煙る山並みを表現する時はASTIAモードがおすすめ、その場合は色が落ち着きすぎたなと思ったらColorを+1~2にするとよい。逆にアジサイなどVelviaモードで撮った時に、派手すぎたなと思ったら逆にColorを-1~2にするとよい。これだけで画像処理に頼らず梅雨の色彩感が出る。ぜひカメラとインターフェイスして自分の梅雨の色を見つけてください。そうすれば梅雨は嫌な季節ではなく、楽しい写真の恵みの雨の季節になるはず。ちなみにX-T1,Pro2は防塵防滴で梅雨の撮影でも安心です(使用状況によりメーカー保証対象外になりますので、撮影時には雨対策をお忘れなく)





by masabike | 2016-06-21 12:14 | 日本風景 | Comments(0)
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