現場の鬼軍曹(修正加筆版)

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オーストラリア・タスマニア州 PENTAX645N 75mm Velvia 50




原稿を一部加筆修正いたしました。ご足労でも再度お読みいただけるととてもうれしいです




先日、ブログとFBにアップした「写真家はシャッター押してなんぼのもの」とアドバイスをいただいた、富士フイルムの元プロ部のTさんのお話の続き。実は長年、オーストラリアを撮影しているが、1年だけオーストラリアに行っていない年がある。それは2000年。その理由は、シドニーオリンピックがあり、その流れで日本国内で個展を18か所1年間で開催したからだ。1年間で富士フイルムフォトサロン、ペンタックスフォーラム、高島屋デパート全国巡回、オーストラリア大使館。それ以外にも地方のいくつかのギャラリー。とても忙しく寝る間もないほど。ある日街でばったりTさんにお会いした。開口一「お前なんて腑抜けた顔してんだ、写真撮っていないだろ」僕はわけを説明したでも、「そんなのは言い訳になんないよ、いつでもなにかとれるのあんだろ、どうせ毎日写真展で宴会三昧で、おだてられてんだろ、ダメだな消えるぞ、今度写真持ってこい)、数日後それでもその頃撮った写真を持って行った Tさんは「何も写っていねえな、ダメだ、ダメ 写真展終わったら根性いれて撮ってこい」と言われ、写真展終了後タスマニアに行き、取り組んだのがこの木の写真でした。たしかにTさんに言われて、街であったあと、デパートのトイレで自分の顔を鏡で見てみたら、腑抜けの緊張感のない顔をしていました。
厳しく叱ってくれる、めったにほめない、ある意味これは写真家あるいはクリエイティブな仕事をする人間に撮りとても大事なことだと思うマス。褒められて伸びる場合もあります、でもその場合壁にぶち当たった時、壁はより大きく巨大になります。壁を乗り越える力いえ壁をぶち破る力、あるいは壁を作らせない勢いと力を養うことです。そのためにはTさんみたいな現場の鬼軍曹必要です。最近は仏みたいな人が増えた気がします。僕はうちの元アシスタントY君をたまに地獄の底まで突き落とします。這い上がれなかったらそれまでの人と判断します。厳しいですがこれがプロの世界のサバイバルです。そして今でも富士フイルムさんにはHさんという厳しい写真のソムリエがいます。今でもその人に叱られるときもありますし、かなり厳しい意見もいただきます。カメラ&写真メーカーの撮って一番大切なことは、写真作品を作り出すこと、作品を作り出す写真家を見つけ育てること。カメラやレンズ、プリントやその過程であり、最終目標ではないです。写真家は甘やかさない、ダメだったら残酷ですがダメ出しをするあるいは切り捨てる。これはプロスポーツの世界から見たら当たり前です。先生とおだてると対した写真かは育たないし、よい芽も腐らしてしまいます。褒めて、伸ばすばかりが能ではないです。富士フイルムはいまだにこのような鬼軍曹みたいなHさんを抱えています。それは写真家にとり、未来に向かって作品を撮るという行為にとても大切な灯台です。この灯台が未来まで受け継がれることを望みます



by masabike | 2016-06-18 09:46 | 写真アート | Comments(2)
Commented by Toshi-JPN at 2016-06-18 11:57 x
記事を読ませて頂きました。まず思った事は、「ランドスケープ・フォトの極意」で記載されているブルース・デール氏のトイレにもカメラを携行している事と写真家 ヘルムート・ニュートン氏と弟子のピ-タ-氏の言われた”世界で一番早く起きて一番遅く寝るカメラマン” ”死んだらゆっくり眠れる。永遠に眠れる。いい作品を作りたかったら、死に物狂いで撮影をしろ”が、頭の中にまず浮かびました。やはり、プロの世界は厳しいし、撮る写真からは感じるものがあるんだと。
ただ、いくら良い写真を撮っても協力者(スポンサー等)との関係構築や展示会をしっかりとやっていかないと成り立たないのもプロの世界だとも推察しております。(私は、普通のサラリーマンなので想像しかできませんが(苦笑))

私の個人的な思いを申し上げますが、展示会でお会い(写真を拝見やお話をお伺い)する事も嬉しいですが、それ以上に、ここのブログで世界を飛び回っている相原プロの方がイキイキしていて、こちらも写欲が湧いてきます。今後も我々の先導者として、ご活躍を願っております。
Commented by masabike at 2016-06-19 09:19
Toshinさんへ
コメントありがとうございます。写真展やイベントではやはり緊張していますし、お仕事の顔です。撮影中とかは本能むき出し状態です
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