富士フイルム Xシリーズ Face bookより


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【和の「写心」《番外編》 By Masaaki Aihara】

「光跡」 インドネシア ジャカルタ近郊
FUJIFILM X-Pro2 + FUJINON XF10-24mmF4 R OIS
フィルムシミュレーションACROS + Rフィルター
ISO1600

ジャカルタ郊外の海岸、南洋独特の落日が終わる。だがあたりには、まだ夕日の余韻が漂う。昼でもなく夜でもない時間。こんな時、しばしば彩度を上げて撮影したり、HDRを使いより残照を強調したりする傾向が、最近の写真には多い。だが見た目派手な写真は意外と飽きていくのが早い。

世界の美術館が収蔵したり、世界的な巡回写真展、あるいは名作と呼ばれる写真は、意外とモノクロが多い。それは色がある現実から、余分なものすべてをそぎ落とし、光と影だけで表現するモノクロームのほうが、心に残るからかもしれない。写真は引き算とも呼ばれる。余分なものをそぎ落とし、最後色さえもそぎ落としたとき、心の中に一瞬光輝いたシーンをプリントにして残せるのかもしれない。

だが今までデジタルのモノクロームは、銀塩フィルムの作品に比べ、空間表現に、今一つ物足りなさを感じた。だがX-Pro2搭載のACROS modeは銀塩フィルムと同等に表現できる世界を再現してくれた。それどころか銀塩フィルムでは難しい、超高感度ISO1600以上の世界もいとも簡単に創り上げてくれる。これで夜の闇が撮影の大きな壁となることはなくなり、X-Pro2は新たなる撮影空間への扉を開けて、無限の撮影領域の世界を与えてくれた。昔から写真ファンにはモノクロームの撮る喜びを、そしてデジタル&スマホ世代になり写真を始めた、若い感性には、今まで見たことのない世界を与えてくれるだろう。X-Pro2のファインダーに見えるのは、写真ではなくあなたの心が表現したい写心が見えるはずだ。

 






by masabike | 2016-04-28 07:36 | | Comments(0)
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