2015年御礼

ブログならびにface bookご愛読の皆様へ

いよいよ大晦日です。今年1年、ぼくのブログとface bookをご訪問していただきありがとうございました。ちょうど今年は19956月に独立して20周年を迎える節目の年になりました。その節目に富山県ミュゼふくおかカメラ館での個展”Double Portrait”を開催できたことをうれしく思うとともに、20年間応援していただいた、多くのクライアント様 スポンサー様 そして僕の作品のファンのお客様ありがとうございました。皆様のご支援なくしては20年を迎えられませんでした。その気持ちを裏切ることなく、次の20年、30年を歩み続けより進化し、成長し、過去の実績のみに頼ることのない、作品を生み出したいと思います。

その意味では昨年より撮影をさせていただいております、落語家・桂花團治師匠の襲名を中心とした作品が次の新たなるステップの一つかと思います。FUJIFILM X-T1での電子無音シャッターだからこそ撮らせていただけた世界だと思います。

そしてステップの一つと申し上げたのには、もう一つ理由があります。動きのある落語の世界と対局して、静かなる物の形を追い求めて、撮り始めた作品群”Katachi”これはドイツ・カールツァイス社の世界最高峰・標準レンズとNikon D800シリーズの高画素で撮影した作品群です。写真家20周年の節目を迎えるに当たり、2014年から、標準レンズ+モノクローム作品という写真撮影の一番原点に立ち返って撮る作品です。今後はこのKatachiのシリーズも突き詰めていきたいと思います。

今後もより進化し続けるつもりですが、長年にわたり撮影をしていますと、「俺が撮る」さらに悪くなると「撮ってやっている」など自分が中心となっていく気持ちが湧きあがり、アマチュアやプロ新入生のころの気持ちが薄らいでいく危険があります。プロになりたての頃は1カット500円の撮影でもうれしくて、一生懸命やっていました。ともかく自分の写真を誰かに見せられる、見ていただけるそれだけでうれしい気持ちで一杯でした。この気持ちを忘れないようにしないと、自分が主役になってしまい作品はダメになります。写真家はいつも黒子です。自然の中でも自然の空気の一部になること、落語の撮影でも寄席の楽屋や舞台の袖でも、一番目立たない存在になると同時に、落語家さんや舞台監督、三味線の方やお茶子さんの邪魔にならない空気であり影の存在にならなければならないと思います。昨今、悲しいかな、黒子であるべき写真家が、タレント化してきていることです。時には、ある意味サービス業ですので必要かなと思いますが、やはりキャラクターで主張するのではなく作品で主張するべきです。先にキャラクターだけが先行している方が増えた気がします。土門拳さんも「写真家が写真機の後ろに小さく、小さくなって見えないような存在になるのが良い」とおっしゃられています。自分も土門さんのおっしゃるような、存在でありたいと思いますので、高校生時代の鉄道写真少年のころの気持ちを忘れないようにしたいと思います。

大変長い記事になりましたが、最後によくあることですが「自分の今年のこの1枚」の写真をアップします

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FUJIFILM X-T1+16~55mm



桂花團治師匠(撮影時はまだ桂蝶六師匠)の襲名のためのご挨拶廻りの作品です。4月の大阪、1日かけて襲名のために、大看板の師匠の皆様や関係者の皆様にご挨拶をしてまわることにご同行を許していただき、撮影させていただきました。ちょうどお昼ご飯になり、「天気も良いので外でお弁当にしましょう」ということで、とある公園でお昼にしました。そうすると朝からの暖かさで、急に桜の花が満開になりました。これから花團治師匠として花開いていく門出にふさわしいのではと思い「皆様でご一緒に、桜の花の下で記念写真はいかがですか?」とお撮りさせていただいた1枚です。テクニック的には何もない、普通の記念写真です。でも写られている桂福團治師匠と花團治師匠はじめ、皆様の晴れやかな気持ちが写られていると感じ、今年のこの1枚にしました。写真で一番大事なことは、思いでの記録性だと思います。これは絵画には難しいことです。この写真を見るたびに、春うららかな日のこと、皆様の楽しい会話と晴れやかな気持ちが思い出されます。と言うわけで、僕の2015年この1枚は桂花團師匠襲名ごあいさつ回りの桜の木の下での記念写真です。

来年も心に残る1枚を撮りたいと思います。どうぞ皆様来年もよろしくお願いいたします。そして皆様と皆様のご家族ご友人にも素晴らしい2016年が訪れますように、末席ながらお祈り申し上げます。


by masabike | 2015-12-31 10:14 | イベント | Comments(0)
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