
face bookをご覧いただけない皆様に、富士フイルムさんのFace bookより転載いたしました
FUJIFILM X-T1 FUJINON35mm モノクロRフィルターモード
撮影地 富山県 氷見市郊外
よくプロの写真家同士で「もし無人島にレンズ1本だけ持って撮影に行くとしたら、どのレンズを持って行く?」という話になることがあります。その場合、僕もそうですが多くの写真家が「50mmF1.4」と答えます。つまり標準レンズです。XFレンズであれば35mmです。その訳は、どのような被写体が来ても、いかようにも対応できる。被写体が入らなければ、ポジションを引き、小さければ寄って撮る。つまり自分のフットワークを使いアングルを探す行為が大事になって来ます。レンズ任せではない、自分の感覚に近いところをフットワークで探すことをします。そしてf1.4は、どのような条件でも少しでも明るく有利に撮れることでf1.4となって来ます(ただデジタル機材になり高感度が可能となったのでF2.0でも大丈夫です)。つまり多くのプロの写真家にとり標準レンズは、おまけではなく、なくてはならないレンズです。すべての基準になるレンズです。
世界中の多くの写真学校が、新入生の課題で必ず出てくるのが「最初の1年あるいは2年は標準レンズしか使ってはいけません。作品はモノクロで撮ること。」これはいろいろな国で聞いてみたところほぼ間違いなく、いまでも同じカリキュラムです。フィルムからデジタルに進化しても同じ過程を学びます。その訳は、たぶん標準レンズ+モノクロームは、画家を志望するのならば、最初に死ぬほど、木炭や鉛筆でデッサンさせられるのと同じだと思います。僕もほぼ大学に入るまで、当時のNikon F2+標準レンズNikkor50mmF1.4+富士フイルム ネオパンSSで死ぬほどとりました。しかもフィルム代を節約するために100ft缶を買って、36枚撮りのパトローネに詰め替えて撮影しました。本当はここで「こう買うレンズが欲しいな!」とか「望遠レンズが欲しいな」と言う場面もありましたが、標準レンズで、広角的に撮る視覚効果のアングルや、望遠効果が得られるアングルを探しました。そして知らない間に自分の、心の中に標準レンズの画角のフレーミングと、モノクロームで被写体の何処に光が当たり、どこが影になり、どのグラデーションが美しいか、心の中にデッサンができるようになりました。撮影をするときの基本フレーミングが出来上がりました。大学に行き報道写真の授業の時に、さらに標準レンズとモノクロをきちんと習いました。そしてマスコミへのカメラマン採用試験も、すべて標準レンズ+モノクロの撮影実技試験でした。残念ながら、当時10社ぐらいカメラマン試験を受けましたが、すべて落ちました(受かっていたら、きっとオーストラリアとの出会いはなかったと思います笑)
つまり標準レンズ+モノクロでしっかり撮ることはすべてのプロの基本だということが試験でも証明されています。そしてこの基礎をしっかり心に刻むことで、自分の作品スタンスが、広角寄りに向いているのか?望遠系か?あるいはマクロか?そして標準ですべてOKか、わかってきますし、被写体に向き合った時に、瞬時に必要な画角のイメージが、心の中に出来上がります。
写真展をしている時に、よくお客様よりいただく質問に「なかなか写真が上達しない」「作品作りの壁にぶち当たっている」「どのレンズを使用して良いのかわからない」。そのような時に必ず僕は「ぜひ1年間、標準レンズ+モノクロで撮影してみてください。半年でもよいです。一見、回り道みたいだけど、必ず上達します。必ず壁を乗り越えられます。必ず自分が好きなレンズや画角が見つかります」とお答えまします。今僕が開催している写真展 Double Portraitでも20年間の写真家生活の〆と次のステップへの作品は標準レンズ+モノクロです。
昔どこかの、ウイスキーのCMにあった名コピーですが「何もたさない、何も引かない」これが標準レンズ+モノクロの世界です。
ぜひ年末年始、旅に行ったり、初詣に行ったりと写真を撮る機会が増えると思います。ぜひ相原にだまされたと思って「標準レンズ+モノクロ撮影」にトライしてみてください。きっと新たな発見と上達が待っています。Good Luck!!!
FUJINON16mm 一押しXFレンズ
FUJINON16~55mm
FUJINON 50~140mm
Nikon Df
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