FUJIFILM Xシリーズ face book 10月7日 記事より


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銀河に眠る

FUJIFILMX-T1+FUJINOn10~24mm ISO6400

撮影地:オーストラリア、西オーストラリア州 ミンガニュー付近

撮影協力 カンタス航空

 オーストラリアの内陸を初めてバイクで旅したのは1988年。その時は風景写真を撮るためにというよりも、いつかはパリ=ダカのドキュメンタリーが撮りたかったので、砂漠を体験するために来たというのが本来の目的。初めて砂漠に来て怖いぐらいに驚いたことが2つあった。1つは音がしないこと。よく映画などで、砂漠のシーンでは「ヒュー」という風のなる音や、「サラサラ」という砂が流れる音がするがあれな、嘘だと分かった。まるっきり無音の世界だ。漫画で空に「シーン」という音が出るくらいな感じに音がしない。

そしてもう一つは星空だった。満天どころではなく自分が宇宙飛行士になる、宇宙遊泳をしたら星が、こう見えるかもしれないと思うぐらいに、空が星の海だった。だが当時のフィルムの感度では、その世界を表現することができず、毎晩ため息をついていた。だがX-T1の登場はその空しい願いを現実のものにしてくれた。深夜テントをから出て、南半球の大地に立つと頭上には銀河が広がっていた。しかもその銀河の源泉に、今まさに月が沈もうとしている。ぼくは撮影しながら再び宇宙に立っている幻覚に包まれた。それは誰も見たことのない地球の風景かもしれない。

デジタルの高感度化に伴い、今まで撮れなかった世界が撮れるようになった。特に風景写真世界は革命的に変化した。今まで夜明けから日没だったものが24時間とれるようになった。そのことは単にとれるだけではなく、写真家たちに新しい視点とコンセプトを要求してくる。そして更にX-T1はそのたぐいまれなき防塵防滴耐寒性能。X-T1のプロトタイプテスト以来、厳冬の北海道、アイスランド、雨季の湿度100%気温40度越え、しかもハリケーンのオーストラリアの熱帯雨林。更に今回はアウトバックと呼ばれるオーストラリアの砂漠地帯。地球上のあらゆる環境と時間でX-T1は僕に心の中で見えたすべてを、そのセンサーに写し撮ってくれた。2000年、フィルムのプロビア100Fが発売するときに撮影の依頼が来た。その時のコンセプトが「誰も見たことのない地球の風景」だった。その作品は当時全世界に広告で展示され、FUJIFILMとプロビア100Fの地位を不動のものにした。X-T1がある現在、次に誰も見たことのない、素晴らしい地球の光景を撮るのはX-T1と旅をするあなたの番かもしれない。

注)一部撮影条件によってはメーカーの保証対象外になる恐れがありますのでご注意ください



by masabike | 2015-10-09 07:41 | 西オーストラリア州 | Comments(0)
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