2015.09.02 FUJIFILM X Series Face bookから

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夏山幻光図

長野県車山付近

FUJIFILMX-T1+18~135mm

良い光や良いシーンというのは予想もしないところに、予想もしない時に訪れる。それもまるで、どうだ!撮れるか、撮ってみろと挑戦するかのように、また驚かすかのように訪れる。

 バイクで夏の美ヶ原に行った。夏の光と風を体全体、五感をフルに使い受け止めることが作品作りにはとても大切だ。それはオーストラリアでの作品創りで会得した。バイクの旅やキャンプは常時、自然の微妙なシグナルを受け止め感じ、それが撮影ポイントやシャッターチャンスへの引き金になる。それでもイレギュラーな事態は起こり得る

この日もバイクで持ち運べるシンプルセットでFUJINON 18~135mmX-T1Zeiss Touit12mmをウエストバッグに入れてツーリングに出た。バイクは車より視点が高くなるのでロケハンには好都合。そして行き止まりの林道や細かい田舎道でも入っていきやすい。美ヶ原のいくつかのコーナーを抜けたときに、何か光が僕をとても呼んでいる気がしてきた。バイクを停めて山に登る。ハイカーが「もう夕暮れで花を撮るのは難しいよ」とアドバイスしてくれた。花ではない、何かがありそうなそんな予感が強くわいてきた。富士山が見える丘に立つ。でも富士山ではない何かが起こる。風が吹き、僕のいる尾根が日陰になった。その間に、これから何かが起こるかもしれないことに備えてSDカードとバッテリーを交換しておこうと、後ろを振り向いた時その光と影は僕をあざ笑うかのように存在していた。夏の夕暮れの雲がまるで異界の空飛ぶ船のごとく存在し、天空にかけ上る階段のように影が大地に着陸していた。一瞬???だった。「スクランブル!」とブザーが心の中に鳴り響く。急いで三脚をセットし直し、フィルムシミュレーション、ISO,WBを確認して戦闘開始。瞬く間に16GBのカードはFULL。このような時はこの撮影カットだけではなくいろいろな光と影と色の変化が同時に起こる。まるで写真家と光と影が鬼ごっこをするかのごとく。追いついた!つまり撮れたと思った瞬間別の変化が現れたり、別のイメージが心に湧き上がる。我に返った時は撮影開始から1時間以上たちあたりは真っ暗。ヘッドランプで山道を照らしながら下山する。そして僕の顔は満面の笑顔で包まれていた。今日の光と影との鬼ごっこでは、僕が捕まえることができたからだ。でも捕まえられなかったこともある。それは一生忘れることができないだろう。

だから少しでも逃げる光と影を捕まえやすいように、日常の当てもない旅では18~135mmを装着することが多い。単焦点レンズだったら23mm35mmを装着する。そしてWBは屋外をあるいている時は晴天モード、屋内はAuto、フィルムシュミレーションはSTDISO400、絞りはf5.6AEにしている。絞りを5.6にしておけば、そこそこの被写界深度、もしくは動いている物体でもそこそこのシャッタースピードで対応できるからだ。これはフィルム時代に体験したことを基本にしている。そして画質はFINE+RAWこうしておけば大方のとっさのときに対応できる。決定的瞬間を撮影したが、大きく引き伸ばせない、+RAWにしておけばそのようなこともない。一番肝心なことは、いつでも反射的に撮れるように、日常でもたくさん写真を撮り、カメラと自分が一体になるようにしている。カメラが自分の眼になるようにし、自分がカメラのセンサーになるようにする。そしてX-T1はいつでもそれにこたえてくれる。これから素晴らしい日本の秋から冬が始まる。X-T1FUJINONレンズ群はいつでも写真家の不足な事態に備えてくれる。このレンズから逃れられる光は地球上には皆無に近いと思う。






by masabike | 2015-09-03 07:32 | 日本風景 | Comments(2)
Commented by K.Yamada at 2015-09-03 08:24 x
九州の田舎にいても、このブログで、写真家相原正明さんの写真に向かわれる姿勢が勉強できるのはとてもありがたいです。お仕事の中で、ブログの更新は大変と思いますが、熱い読者がいますので、いつまでも継続していただくことをお願いします。
いつの日か、機会があれば、ワークショップなどに参加できることを願っています。
Commented by masabike at 2015-09-05 08:09
K Yamadaさんへ
応援大感謝です
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