富士山 片岡球子展覧会 国立近代美術館

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これほど強い、パワフルな富士山のアートは初めて見た。衝撃だった。写真の力の弱さを感じてしまった。1枚の絵にかける、作家のエネルギーと情念が筆からダイレクトに紙の上にほとばしっている。まるで魂が紙の上に存在するようなエネルギー感を感じた。


これが正直、日本画?との驚きもあった。しかも描かれたときが80~90歳代の作品がたくさんあった。しかも90歳になるとあらたな領域である裸婦の領域にもチャレンジしている。多くの学芸員が、パワフルな作品しかこの世界は生き残れないとコメントする。まさに片岡さんの作品はこれぞパワフルというモデルだ。もし彼女が生きていてゆるい系写真を見たらどう思うだろ?「辞めちゃいなさい」ぐらい言うかもしれない。自分の生徒さんにも厳しかったらしい

片岡さんのスケッチブックが展示されていたが、デッサンの正確さは驚きだった。しっかり観察し基本に忠実にしっかり描く。当たり前だがこれがやはり大事だと思った。NHKのテレビプロフェッショナルを見ても、バイオリニストの五嶋みどりさんも横綱・白鳳さんも毎日基礎をみっちりやっている。では写真家はどうだろう?しっかりした基礎をやっているだろうか?小手先のテクニックに頼っていないだろうか?基礎がなくても感性があればOKと言い逃げていないか?観察しきれない部分は画像処理に頼りすぎていないか?


アドビアドベンチャータスマニアで一緒だった、Maki Kawakitaさん。彼女はヴォーグをはじめ数多くの作品をアメリカのメディアで発表している。その作品はやはりとてもパワフル。でもいちばん驚いたのがしっかりしたデッサンができること。どこに光と影があるかきちんと見ている。仕事の合間に書いたラフスケッチをみて唸ってしまった。ライトルームのテクニックの前にしっかりしたアートの基礎を持っている事だった

自分の作品の存在感に疑問を持ったらぜひ片岡球子作品展を見てもらいたい。そしてすべての富士山をモチーフとする写真家の皆さんには必ず見てもらいたい。なにが自分たちに足りないか、見えていないかが・・・・・・




by masabike | 2015-05-09 08:27 | 写真アート | Comments(2)
Commented by getteng at 2015-05-09 21:15
masabikeさん
「世界遺産タスマニア」拝見しました。
マザ-ツリ-のこと、よく解りました。
ピュアな自然を非常識な爆買いするような連中に汚されたくないですね。
観光客の入場制限と拒否権を与えるべきでしょう。
Commented by masabike at 2015-05-10 09:41
gettengさんへ番組ご覧いただきありがとうございました。タスマニアは一部トレッキングルートで入場制限を設けております
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