蝶に始まり蝶に終わる

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FUJIFILM X-T1(電子無音シャッター プロトタイプ) FUJINON 23mm 56mm 55~200mm


今年もあと72時間と少し、この1年は人生にとってターニングポイントになる年かもしれない。今年の元旦、ホテルニューオータニ大阪での写真展で桂蝶六師匠との出会いが僕のこの1年を大きく変えた。運命の出会いかもしれない。昔から趣味で落語を聞いたり時には寄席に行ったりもしていた。いつか落語家さんを撮ってみたい。それは夢みたいな思いだった。その大きなわけは、落語などの伝統芸の世界は、そこに入り込むための扉がどこにあるのかわからない・・・いやあっても扉の開け方、どこにノブがついているのかもわからない。そんな時に蝶六師匠が僕の写真展にお越しいただいた。写真のことを説明するうちに、心の中に悪魔のささやきと天使の誘惑が湧いてきた。噺家さんとさしで二人きりで話せるなんてめったないのだから思い切って「師匠の写真を撮らして下さい」と頼んでみたらという心のささやきと誘惑だった。でも内心「いやもう僕はこの写真家の人にしか撮ってもらわないので」という答えが来ると思ったら「いいですよ」と言われ仰天でしかも「実は来年、僕は3代目桂花団治を襲名するので丁度良いと思います」という涙の出るようなお答えをいただきました。でもその際に「実は落語の世界のしきたりや撮影の際の禁じ手は何も知らないので」と述べると、蝶六師匠は「音です。音は話の間も変わるし、お客様やほかの噺家さんからもクレームが来るので、限りなく音がしないカメラが良いです」と言われた。さっそく東京に戻り某・富士フイルムさんに「X-T1の音を何とか落語を撮るので小さくできないか?」とお願いしたところ「相原さん実は、電子シャッターのX-T1を開発中でそのカメラは無音になります」と言われた。まさに天の恵みだった。3月に巡回の個展が終わり、4月から寄席に撮影に伺うことができ、その後数々の作品を高座や楽屋も含めて撮らせていただいた。そして大阪・繁昌亭を取り巻く寄席の文化全体、さらには狂言師や能楽師、太神楽、ちんどんさんまで伝統芸能から大衆芸能まで幅広く、蝶六師匠のおかげで撮らせていただけた。それはこれからの僕の作品に大きく影響する。人物だけではなく風景にも影響する。蝶六師匠との出会い、X-t1電子シャッターの開発、襲名のタイミング、偶然というにはあまりにもできすぎている。これは本当に写真の神様のお恵みにしか他ならないと思う。その恵みを大きな実りに変えるべく2015はもっと精進しないと蝶六師匠の芸や開発してくれた富士フイルム・大宮研究所のスタッフに泥を塗ることになる。

今まで以上にもっとエネルギッシュに、繊細に、そして心を高めて臨むつもりだ


桂蝶六師匠、素晴らしい1年をありがとうございました



by masabike | 2014-12-29 00:03 | 落語 | Comments(2)
Commented at 2014-12-30 06:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masabike at 2014-12-30 21:52
カギコメさんへ
ありがとうございます。
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