美しくてシャッターが切れない時

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FUJIFILM S5Pro +Nikkor14~24mm 28~70mm 70~200mm


オーストラリア・フレーザー島

撮影協力 クィーンズランド州観光公社 カンタス航空 

2008年9月撮影



映画 LIFEでショーン・ペン演じるLIFEのフォトグラファー、ショーンオコーネルが「一番美しいことは目に焼けつけたいので、ファインダーではなく眼で見る」と言う。ほんとかな?と言う人もいるかもしれない。写真家なら「まずはシャッターを押せよ」そう思うはずだ。僕もそう思う。ただ人はあまりにも予想しない美しさと驚きに包まれたときに、凝視してしまう、あるいは意識して記憶に焼き付けようと思うのかもしれない。

かく言う僕もたった一度だけ、あまりにも美しくてシャッター押さなかったというか、見とれてしまったことがある。カメラを構えていたのに。それはもう20年近く昔、正確にいえば199612月オーストラリア・クィーンズランド州フレーザー島・70マイルビーチだった。その日、引き潮で長く伸びた白い海岸線に当たる残照を狙っていた。南太平洋の真っ赤な残照が美しかった。着ているTシャツですら真っ赤になった。シャッターを押すだけで作品が撮れそうだった。太陽が水平線に沈み終わったその瞬間、水平線が緑に輝いた。真っ赤な中にエメラルド色の輝点が輝く。あまりの美しさに僕は300mmの望遠レンズを付けたNikonF3PGitzoの三脚に構えたまま呆然と水平線を見つめてしまった。シャッターを切ろう、構図を考えようという意志はエメラルドの光に飲み込まれてしまった。時間にして5秒少し、もしかしたら10秒あったかもしれない。エメラルドの光が真っ赤な残照に融合してしまってしばらくしてから「???」、さらに10数秒してから「グリーンフラッシュ?」と思いついた。でも時は遅かった。でも駆け出しのフォトグラファーを固まらせてしまうほど美しかった。あの時はファインダーを見なかった。見ることすらできなかった。でもその数秒は今でも心に焼き付いている。



グリーンフラッシュとは高緯度地帯や高山でまれに太陽に光が屈折で緑に見える現象をいうことらしい


by masabike | 2014-08-25 23:22 | 写真アート | Comments(6)
Commented by sakazakishingi at 2014-08-26 07:20
僕も一度そういうようなことを体験したいです。
Commented by solao at 2014-08-26 09:59
エピソード、教えていただきありがとうございます。
ひょっとしたらオーロラを観るより難しそうですね。
昔、とあるフォトグラファーの方の講演で、プライベートの2泊程度の旅行でも
5-6000カットは撮る、ということで「なんでそんなに撮るの?」と司会の方が聞くと、
「自分の目で見てるのに撮ってない」というのが嫌だ、とおっしゃってました。
それもまた写真家気質だな思いました(笑)。
Commented by cyan9203 at 2014-08-26 20:56
30年ほど前、私も同様の体験をしました。
以前から、そういう現象があるとは知っていました。
でも、レンズを覗きながら実際に目の前で起きるグリーンフラッシュには、驚嘆が先に走ってシャッターを押すのを忘れてしまいました。
1回目は、留萌の山から見た、海に落ちる夕日。
2回目は、積丹半島の夕日。
なんと、2回もシャッターを押し忘れています(爆)
綠輝線とも呼ばれるらしいですが、「見た者は真実を知る」という諺もあるらしいです。
私は未だに何が真実かわかりませんが(・・?
Commented by masabike at 2014-08-27 10:12
sakazakiさんへ
かなり運も必要です
Commented by masabike at 2014-08-27 10:12
solaoさんへ
その写真家の方の気持ちも大変よくわかります
Commented by masabike at 2014-08-27 10:13
cyan9203さんへ
2回も見れたのはすごい強運ですね
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