今日は今週発売した「誰も伝えなかったランドスケープフォトの極意」(玄光社刊)のイントロをご紹介いたします
はじめに
皆さんは楽しんで写真を撮っていますか?ぼくは仕事でもプライベートでも楽しく写真を撮っています。小学生の時、蒸気機関車の写真が撮りたくて写真を始めて以来45年、写真が大好きです。そして日々写真が大好きという気持ちは大きくなります。そして1988年オーストラリアに初めて旅をして以来、風景写真というものがその中でも大好きになりました。
オーストラリアから帰ってくると、日本の風景はみずみずしさと繊細さにあふれ素晴らしく世界に誇れる我が国の財産だと感じました。そして当然、日本の風景も撮影するようにもなりました。桜や紅葉、北海道から九州まで時間が許す限り国内を旅して撮影するようになりました。そこで気が付いたのですが、あまり楽しんで撮影している人が少ないと感じました。特にデジタル時代になり、テクニックや機材のスペックのみが優先されるような風潮で、それを自慢するアマチュアの方も多く、プロまでがその流れに飲み込まれている人が多くなりました。写真も含めすべてのアートは心の感動を、どう表現するかです。その心が忘れ去られています。そして楽しむということがおざなりにされている気がします。
この本は撮影テクニックは書いていません。撮影データーも書いていません。プロの裏ワザというのも書いてありません。書いてあることは、どうやって写真を楽しみ、どのような気持ちで自然に接し、自分の風景作品を作り上げるかというお手伝いができればと書いた本です。そしてもう一つ25年間にわたるオーストラリアの撮影で得たすべての撮影に臨むための、心がけや心のありよう、そして海外で得た、これから海外で写真家としてチャレンジしていく人のためのアドバイスも少しだけかねています。
そしてもう一つこの本は25年間の思い出深い写真も含めた僕の作品と写真家生活のバイオグラフィーとしての意味もあります。どうぞ写真を難しく考えずに楽しく光と時間と対話する本と思い読んで、見ていただければと思います。個人的には風景写真版、宮本武蔵の五輪の書と感じていただければと思います。そして多くの人がこの本を読んで写真はこんなに楽しいとシンプルに感じて、この素晴らしい地球の風景を皆さんの視点で後世に、できれば10億年後の子供たちに残せればと思っています
相原正明
このイントロとこの本に書かれているすべてのことをベースとして写真絵本「ちいないのち」(小学館刊)写真集「しずくの国」(Echell-1刊)も撮影と制作されています。写真集とこの本を合わせてお読みいただければ、僕の世界観とどうゆう気持ちあるいは過程で作品が制作されているか、ご理解していただけると思います。相原ワールドご理解していただける本だと自負しております
年末年始、ランドスケープ極意と写真集で合わせてお楽しみいただけれと思います