2つの写真美術館

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FUJIFILM X100
 土門拳写真美術館


酒田ではじっくり土門拳写真美術館、堪能いたしました。そしてよく考えれば1週間で、植田正治写真美術館と、土門拳写真美術館という日本を代表する2つの写真美術館を訪れることができるという奇跡にも似た幸運に恵まれました

2つの美術館を拝見して、植田さんと土門さんというまるで異なった作風ながら、いくつかの共通点があります。一つは撮る目的コンセプトがはっきりしているということ。自分の視点気持ちがぶれていないということです。ですから一堂に展示されているとき見ていてとても気持ちが良く流れるように見ることができます。そしてそのどちらもしっかりした心の強さから、見終わった後何とも言えぬ昂揚感に包まれます。

そしてもう一つの大きな共通点は、お二人とも撮る被写体が大好き、惚れ込んでいる、愛しているということです。たぶんみなさんも俺だって被写体は大好きだよと、思うかもしれませんが、波の好きさ加減、愛し加減では済まされないです。その注入した気持ちが、すべてプリントからにじみ出ています。よくプロアマ問わず写真家でもコロコロと撮影テーマを変えたり、いくつものテーマを同時にしようとする方もいます。それでは良い作品は神様でもなければできないと思います。人間の注ぎ込めるエネルギーと集中力限りがあります。そして物理的なこと時間やお金もそうです。一つのものをとことん愛して、己の心を注ぎ込むそうでないと、お客様をうならせる作品は難しいと思います。兵法で2つの戦を同時にすることは自己破滅を招くと戒めていることと同じです

そして恋愛と同じで、二股かけるととんでもないことになります。愛情を注ぎ込む被写体は1テーマが限度です

はなはだスケールは違いますが、2000年シドニーオリンピックの際にオーストラリアの大型写真展で勝負をかけるまで、僕も一切ほかの被写体はライフワークの作品作りはしなかったですし、趣味のバイクや旅や、それこそ宴会も控えていました。それでも今思うと「もっとこうしておけばよかったと」思うこともあります。ですからお二人の巨匠のかたの才能もあると思いますが、一つのことにかける情熱愛情はそれ以上のものを感じます。ぼくも大きな先輩たちに負けないぐらいより、意識そして愛情を集中して地球のポートレイトを撮影したいと思います。本当にこの1週間は自分にとって大きな1週間だったとかんじました。





by masabike | 2011-09-26 06:51 | 写真アート | Comments(0)
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