写真展で思うこと

ＰＥＮＴＡＸ　６４５ＮⅡ　４５～８５ｍｍ　ＦＵＪＩＦＩＬＭ　Ｖｅｌｖｉａ５０


写真展の会場でよく聞かれる質問があります。
「全部フィルムで撮影したのですか？」「どうしてフィルムなんですか？今デジタルでも綺麗に出るのに」という質問です。今回の写真展Spiritはご存知のように全てフィルムで撮影しています。ブログや他の撮影ではデジタルも使います。フィルム＆デジタルそれぞれに長所･短所があります。それぞれの良いところを使い撮影作品作りをしたいといつも思っています。

ただ今回の”Spirit”に関しましては、必ず全部フィルムで撮り続けようと思いました。そのわけは植物という有機体を撮影し、そのSpiritをレンズを通し会話するためには、やはりフィルムという有機体（フィルムは銀だけではなく、コラーゲンとビタミンＣが入っています）をもって望まないと会話できないと思い、銀塩フィルムに固執しました。

そして会話をするだけではなくその有機体という生命には有機体を用いて望むことが、写させていただいたSpiritたちに対する一番の尊敬になるのではないかとも考えました。そして有機体同士が共鳴してくれることにより、レンズあるいはフィルムと被写体のSpiritたちとの間にある、サムシングエルスがプリントの上に表現できるのではないかと思いました。０１０１の信号とＣＣＤ画素では感じえない、テクノロジーをこえた何か化学変化がカメラの内部に起こってくれるのではと思いました。僕は決してデジタル否定派ではありません。でもこの地球上で人類よりも、哺乳類よりも長くこの地球上に暮す植物のSpiritたちを作品にするにはフィルムだと思いました。どうか写真展にお越しになりましたら、絞りや機材ではなく何が印画紙の上に現れているか、そして現れていない印画紙の外にあるものを感じてご覧なっていただきたいです。

以前写真展を開催していたとき、何人かのお客様より「相原さんの写真展は撮影データーがないからだめだね。撮影地の情報がないからだめだね」といわれました。正直言ってびっくりしました。写真展はデーターシートやデーターを開示する場所ではありません。あくまで作品を楽しみ、コンセプトを見ていただきたいためにやるので、その作品の力を見ていただきたいのです。データーはカメラ雑誌に任せておきたいと思います。
今年韓国で写真展をしたときに、韓国のお客様はまず、撮影コンセプトや、森で撮影するときと、海で撮影するときは気持ちを切り替えるのですかとか、内面をとてもたくさん聞いてきました。とても嬉しかったです。でも母国に帰ると外面しかも、テクニカルデーターを聞くアマチュアの方が多いです。かえって若いかたは内面を聞いてきます。どうかこれから写真展にお客様、レンズと被写体の間にある何か？あるいは印画紙の外側にある何かを感じに来ていただければフォトグラファーとしてとても嬉しいです。


なんとなく散漫な記事になりましたが、写真展を開催するときにいつも思う雑感です。ぐちっぽくなりすいません。これからも写真展Spiritよろしくお願いいたします

写真展Spirit富士フイルムフォトサロン福岡で１２月１０日まで開催中。２日まで会場におります。お待ちしています

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