写真絵本 ちいさないのちの制作の思い

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PENTAX 645NⅡ  35mm ベルビア50



20年間オーストラリアの大地と空と星の下で撮影をしてきました。この20年そこで感じたのは、単に景色がきれいな世界最古の大陸ではなく、この地球の生命エネルギーがあふれかえっているということです。まさに太古の昔恐竜や魚類が出てきた当時、あるいはその前の天地創造のころのダイナミックな感じが残っている大陸です。そしてその世界を伝えるには絵本がふさわしいと思い、この企画を15年間暖めてきました。この絵本を通じて地球の上の子供達とかって子供だった大人の皆さんにお伝えしたいことが3つあります。

 1つ目は日々その大自然の中で暮らしていると、自分も母なる地球にあやしてもらっている「一生命体」に過ぎないということ。大自然ではアリもカンガルーもワニもみんな等しい同列地球の子供達ということ。食物連鎖の頂点に立つのが人間ではなくみんな同じ仲間だということです。そんなすべてはひとつという事を楽しく伝えたかったのがこの写真絵本です。

2つ目は大自然ほどものすごくきれいなドラマはないということ。今回の作品はすべてありのままのオーストラリアの風景と動物たちです。デジタル処理やフィルターワークで作り出した仮想世界はありません。たったいまも太陽が笑い、月が微笑み、雲が踊り、波が歌うリアルワールドの世界です。もう一度バーチャルから現実世界のすばらしさ暖かさを感じて頂ければと思います。

3つ目はここで見せるのは風景&ネイチャー写真ではなく地球のポートレイトだということです。このテーマで僕はこの20年撮影しています。地球という40億年以上生きた生命体とそこに集うちいさないのちたちのポートレイトです
この3つのコンセプトを表現するために20年の作品の中から選りすぐりの写真と、そして大地で感じたままの物語を書き、イラストも描きました。まさに自分の分身みたいな本で一番大好きな本です。自分の使命はこの本を作るために生まれてきたのではないか、この本の写真を撮らせてもらうためにオーストラリアを旅したのではないかと。昔習っていた油絵も、大学のとき習った文章も、すべての人生の経験がこの本のためにあったのではないかと考えてしまいました。だから自分の分身かなと思いました。

そんな本ですから10年20年と大事にしていきたいと思いますし、本を読んだ子供たちが、大人になるまでというよりもおじいちゃんおばあちゃんになるまで大事に本棚においていただきたいと思います。


最後にこの本のキーワードは「いまを生きる子供たちから10億年後に生きる子供たち」です。10億年後、この本がもし地球のどこかの地層から見つかり、まだ人類あるいは人類につながるものがこの世界に生きていたとして、彼ら彼女らがこの本を見て「あ~10億年前からこの星は変わらずきれいだったのね」と思ってくれたら一番成功だと思います。答えは10億年後です。長いスパンが必要な本ですがぜひ皆さんすべての生命と手をつなぐためによろしくお願いいたします。


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by masabike | 2009-09-17 08:30 | 写真集等出版物 | Comments(3)
Commented by silvadog at 2009-09-17 11:38
 ・・・10億年後。 確かに長いスパンで、まったく想像もつきませんが、こんな素敵で美しい地球に、生かされているぼくたちは本当に幸せだと思います。

 また、夢をかたちに実現できた相原さん、本当におめでとうございます。 そして、ありがとうございます。
Commented by mr_schop at 2009-09-17 21:12
相原さんの人生の縮図ですね〜!
私も購入します。写真販売のお金が来月
入ります♪
Commented by mamunia at 2009-09-20 00:33 x
私、写真家相原正明が語ってくださるその場面に何回かいてそのお話を伺えたこと、
そしてうちの子供たちにその思いを伝えてくださったこと、
本当にありがたく思っています。
きょうも、父兄のおかあさまに感謝されましたよ♪
で、すだち、おくったよん。
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