「点景」熊本県 宇土市御輿来海岸(おこしきかいがん) 有明海 今回の作品は有明海の御輿来海岸。干満の差でできる干潟が有名な撮影スポット。不思議な名前の海岸だが、現地のホームページによると、景行天皇が九州遠征の際にあまりの美しさに御輿を停めて見入ったことから、その名前が付いたと言われている。偶然にも僕の元アシスタントY君が、この海岸の展望台の下に実家があり「相原さん、一度でよいから来て撮影してみてくださいよ。すごい風景ですよ」と言われて訪れた。 撮影は12月の満月の日。昼間の撮影と、満月の明かりでの撮影を考えて機材を選んで持ってきた FUJIFILM GFX 50S、GF23mmF4 R LM WR、GF32-64mmF4 R LM WR、GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR、FUJIFILM X-H1、XF16mmF1.4 R WR、XF35mmF1.4 R、XF16-55mmF2.8 R LM WR、XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS Wだった。ただ正直に言えば、自分の視点の好みならばほとんどの撮影はGFXシリーズでいえばGF32-64mm、XシリーズでいえばXF16-55mmで間に合ってしまう。では何のためにそれほど機材を持って行くのか?前出した条件もあるがここ1発、少し変化を効かせたいときである。お寿司でいえば「ワサビ」みたいなもの。違う視点で作品を見る人に「おや?」と思わせる時にどうしても標準ズームレンズではカバーできない視点あるいは、ボケ味や明るい開放値が必要となる。 今回の作品は日没3時間ぐらい前に現地入りした(初めての場所なので、夜景の撮影に下調べも備え、早めに現地入り)。それでも早くも数人の方が三脚を立てて日没を待っている。僕もそれに倣い三脚を立て撮影準備。遅い午後の光になるころ、干潟を漁師さんたちが歩きわまっていた。何か貝か小魚でも捕まえているのだろうか、盛んに干潟の上を歩き回る。その時、頭の中に絵コンテが浮かんだ。遅い午後の光の強烈なコントラストの干潟、その中を歩く漁師の方を点景としてモノクロで干潟の大きさと美しさを表現しようと。三脚にセットしていたGFX 50S+ GF32-64mmからX-H1+XF100-400mmにカメラをチェンジした。隣で撮っていたアマチュアの方は「この人、こんな超望遠レンズ出して何しているのだろう」という顔だった。そう、まわりの方の多くは広角系あるいは標準系ズームしか持っていない様子だった。だから誰も被写体に気づいていないし、撮ろうとしていない。ファインダーを覗くと影絵のように干潟の上の漁師の方が、逆光で浮かび上がっていた。フィルムシミュレーションをACROS+Rモードに設定して、コントラストを強めにした。そしてもちろんシャドー部の諧調を絞めるためにWBは電球モードにした。漁師の方がまるで踊るように、干潟の上を歩き回る。おかげでとてもフォトジェニックな作品が撮れた。その後再びカメラをGFX 50Sに戻して日没から夜明けまで撮影した。この日夕刻から夜明けまでに使用したレンズはGFXでGF32-64mm、GF100-200mm、XではXF16mm、XF50-140mm、XF100-400mmだった。12月の満月の日、変化する干潟を狙い夢のような時間が過ぎ去った。撮影が終わった後、僕はY君の御実家にご挨拶に伺い、お父様の御仏前に「息子さんを預からせていただきました」とご挨拶をさせていただいた。 以前あるカメラメーカーのサービスセンターで偶然彼に会った。最初はパーテーション越しで分からなかった。だがメーカーの方が「いつもたくさんカメラとレンズを持っていますよね」と言われ「ええうちの師匠から、いろいろな視点で撮れるように、レンズはたくさんそろえろといつも言われているので」という声にハッとして、パーテーションの向こうを覗き込むとY君だった。ほぼ素人でうちに弟子入りして、プロの写真家になったY君。撮影現場を去るとき、その話を思い出し、この素晴らしい風景の中で育ち、そして僕も元に来てくれたのかと、とてもうれしくなった。レンズのバリエーションをそろえることは大切であることをもう一度かみしめた。 12月16日 FUJIFILM House of Photographyで写真家・渡辺真由美さんとトークイベント開催します フジカラー北陸 ギャラリーかなざわで個展12月10日まで開催中です 相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ ぜひお楽しみください 富士フイルムさんのX シリーズフェイスブクで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑 下のランキングバナーをクリックしてください。 #
by masabike
| 2024-12-04 17:32
| 日本風景
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原始の森が果てしなく広がるタスマニア その森の中で撮影していると、森のエネルギーが体にチャージされていくのがわかる 森で過ごせば過ごすほど、撮影する意欲が盛り上がる 疲れていると、感じたらタスマニアの森に来てほしい。とてもよく眠れる 相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ ぜひお楽しみください 富士フイルムさんのX シリーズフェイスブクで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑 下のランキングバナーをクリックしてください。 #
by masabike
| 2024-12-03 20:38
| タスマニア
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本日と明日土曜日は在廊いたしますので、ぜひぜひ皆さまご来場ください。ただ本日は金沢は大雨警報です。足元をご注意してお越しください コロナ期間中に家のスタジオで撮影した、野菜のモノクロ作品が中心です。基本的に標準レンズ+モノクロという写真の原点であり、基礎を中心とした作品展です。 絶景やエフェクトに頼らない、どのように自分の光と構図を見出すかをコンセプトとして、モノのフォルムを追求しています。オーストラリアで撮影した 石や木もあります 開催場所 フジカラー北陸内 ギャラリーかなざわ 〒921-8043 金沢市西泉2丁目83番地 お問い合わせ 株式会社フジカラー北陸 TEL 076-243-3111(代) FAX 076-243-3125 会期 11月29日~12月10日(12月1日&8日休館) 10:00~17:30 最終日10日は15:00閉会です 入場無料 在廊予定 11月29日 30日 12月6日 7日 10日(11:00-15:00在廊予定) みなさまのご来場 お待ちしております。 会期中 イベントも行います ● 11月30日 会場にてギャラリートーク 参加費無料 予約不要 2024年11月30日 1:30 PM - 3:00 PM ● 金沢での撮影会 兼六園 金沢城周辺で撮影会をします フジカラー北陸様主催 富士フイルムイメージングシステムズ様協賛で行います GFX&Xシリーズ レンズ等の貸し出しもあります。ぜひ、色に恋する富士フイルム 最新機材お試しください ●日時 12月1日(日)【雨天決行】 10時〜15時30分(9:45~受付) ●会場 石川県教育会館 第3会議室 金沢市香林坊1丁目2-40 TEL076-222-1241 ※お願い※ 駐車場はございません 公共交通機関をご利用ください ●参加費:3,000円(税込)当日現金にてお支払い下さい ●定 員:10名 (定員になり次第締切させて頂きます) 当日お持ち物:メディア・お飲み物・雨具など お申込み お問い合わせは下記のリンクでフジカラ―北陸様までおねがします フジカラー北陸様 主催 相原正明撮影会 皆様の御参加 ご来場 心よりお待ち申し上げます FUJIFILM X-T4+SIGMA10-18mm #
by masabike
| 2024-11-29 07:47
| 写真展
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いよいよ今週末より 金沢で写真展を開催いたします。 タイトルはKatachi In &Out コロナ期間中に家のスタジオで撮影した、野菜のモノクロ作品が中心です。基本的に標準レンズ+モノクロという写真の原点であり、基礎を中心とした作品展です。 開催場所 フジカラー北陸内 ギャラリーかなざわ 〒921-8043 金沢市西泉2丁目83番地 お問い合わせ 株式会社フジカラー北陸 TEL 076-243-3111(代) FAX 076-243-3125 会期 11月29日~12月10日(12月1日&8日休館) 10:00~17:30 最終日10日は15:00閉会です 入場無料 在廊予定 11月29日 30日 12月6日 7日 10日(11:00-15:00在廊予定) みなさまのご来場 お待ちしております。 会期中 イベントも行います ● 11月30日 会場にてギャラリートーク 参加費無料 予約不要 2024年11月30日 1:30 PM - 3:00 PM ● 金沢での撮影会 けんろくえん金沢場周辺で撮影会をします フジカラー北陸様主催 富士フイルムイメージングシステムズ様協賛で行います GFX&Xシリーズ レンズ等の貸し出しもあります。ぜひ、色に恋する富士フイルム 最新機材お試しください ●日時 12月1日(日)【雨天決行】 10時〜15時30分(9:45~受付) ●会場 石川県教育会館 第3会議室 金沢市香林坊1丁目2-40 TEL076-222-1241 ※お願い※ 駐車場はございません 公共交通機関をご利用ください ●参加費:3,000円(税込)当日現金にてお支払い下さい ●定 員:10名 (定員になり次第締切させて頂きます) 皆様の御参加 ご来場 心よりお待ち申し上げます 相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ ぜひお楽しみください 富士フイルムさんのX シリーズフェイスブクで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑 下のランキングバナーをクリックしてください。 #
by masabike
| 2024-11-26 16:42
| 写真展
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FUJIFILM X-T4+FUJINON XF35mmF1.4 ブリーチバイパス よこはまみなとみらい 横浜DeVAファンの皆様優勝おめでとうございます 普段野球は興味ないのですが、今回はなんかとてもうれしかったです いつもいつも常勝軍団が勝つのは面白くないです 写真も同じ 絶景ばかり 有名撮影ポイントばかりでは面白くないです 日常の中に自分だけの視点を見つけたときが、写真の面白さだと思います 相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ ぜひお楽しみください 富士フイルムさんのX シリーズフェイスブクで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑 下のランキングバナーをクリックしてください。 #
by masabike
| 2024-11-05 16:33
| 建築土木
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プロフィール
1958年東京都出身。日大法学部新聞学科卒。7年半のサラリーマン生活の後、パリダカールラリーを目指し、そのステップとしてオーストラリアへバイクでの砂漠縦断に行くが、そのままオーストラリアの虜になる。
現在はフリーカメラマンであり、フレンド・オブ・タスマニア(親善大使)としても活動中。 メールはこちらにお願いいたします。 masabikejp@yahoo.co.jp 写真のテクニカル的な質問には、クライアントさんとの関係もありお答えできない場合がございます。ご了承下さい。 ※ サイト内の写真の使用ならびに無断転用を禁じます。 Copyright©MASAAKI AIHARA ↑ブログランキング参加中。是非クリックして下さい。よろしくお願いします。 ◆相原正明オフィシャルHP New Photography coming Masaaki Aihara Official HP Masaaki Aihara Face book Face book 友達申請の時は必ずコメントお願いいたします。コメントがないと商人いたしまねます。 *相原正明作品収蔵のタスマニアクレイドルマウンテンThe Wilederness GalleryのHP http://wildernessgallery.cart.net.au/cat/2047951.html ◆相原の大型作品が 4点展示されています。 2007.4.27 OPEN モダンオーストラリアン レストラン「Salt」 http://www.pjgroup.jp/salt/ 新丸の内ビル6F (東京駅丸の内北口) ◆ご希望がありましたら、下記『ライフログ』より相原の作品をご購入いただけます。 タスマニアの四季を9万カットの中から厳選した写真集「静かな場所」と、13年間のオーストラリア撮影の総決算DVD写真集「虹大陸」がございます。 ライフログ
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