2017年 07月 05日 ( 1 )

Photo is

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Nikon D810A+Carl Zeiss Otus 28mm
シリーズ "Katachi"より


写真展やイベントあるいはメール等で、しばしば「どうしたらプロのフォトグラファーになれるか?」と質問をいただく。同じような質問は僕も、学生時代あるいはアマチュア時代にフォトグラファーやメディアの方に何度もした。答えは、さまざま

 僕の場合はこのようにお答えさせていただいている。

1 死ぬほど写真が好きですか?

2 自分の得意分野を持っていますか?

3 最初の数年あるいは10年間は、すべてを写真のために犠牲にできますか?

4 駆けだしのころは、好きな写真ではなく、スーパーや中古車センター あるいは町の不動産広告のチラシの撮影でもよいですか?

5 きちんとビジネーストークあるいはビジネスマナーができますか?

そんなことをお聞きしています。でもよく質問者から頂く答えが1~5の質問には、答えられませんが「私はこんなに良い作品が貯まったのでプロになりたい」「SNSでこんなに人気があるからプロになりたい」とお答えをいただく。これは大変な間違いでもあり障害になる場合が多い

まずよい作品が貯まったからプロになるというのはとても大きな錯誤だと思う。良い作品を撮りためるのではなく、自分のコンセプトと哲学に基づいた作品を制作することが大事で、ただ良い作品が撮れただけでは、テーマーやコンセプトがバラバラで、ただの学芸会になってしまう。個展に関しても同じことが言える。「よい作品が貯まったから個展をしてプロになりたい」も大きな間違い。

コンセプトに基づき、起承転結のストーリーが出来上がりかつ、満足のいくクォリティーの作品が撮り貯まったから個展をするべきだと思う。だから時として、個展に行ったり、ブックを拝見しても、何を言いたいのかよくわからない、単に技術&テクニック見本市みたいな個展やブックを眼にする。

そしてそのような方に限り作品に幅や奥行きがない。それはなぜか?写真以外に趣味や勉強をしていない。一番大切なことは写真が好きな熱意だが、それ以外に、どれだけ多くの知識好奇心の引き出しを持っていられるか?それが作品の幅や奥行きを創り出す。スポーツや音楽、映画、絵画、お茶やお花などいろいろな趣味は作品創りに大きな影響を及ぼす。僕の場合は写真以外に、バイク、モータースポーツ、トレッキング、キャンプ、スキーなどなど、これを土台に写真作品というプラットフォームを作りあげている

アウトバックにいくドライビングテクはバイクレースから来ている。どうしたら砂漠のダートで、路面の振動を車両に極力伝わらせないか。どうしたら燃費を良くして航続距離が伸ばせるか?どうしたら車のトラブルが減らせるか?これはすべてモータースポーツで経験したことが、ロケに生きて結果として作品が撮れることになる。またバイクを趣味で乗っていた経験から、どうしたら車やバイクがカッコよく見えるかもよく解る様になる。などなどつまらないことを書きましたが、多くの趣味と好奇心は作品の厚みを増してくれます。昔、三木淳さんから「写真専門学校や写真大学に行っても、写真バカが出来るだけ。多くの視点を作らなければ、テクニックや写真が好きなだけではプロになれない」と言われました。それは今の僕の人生に大きな影響力をいまも与え続けてくれています。だからうちのアシスタンとにもテクニックはほとんど教えません。それよりもクライアントさんの対応の仕方、電話の応対、書類の作り方、プレゼンの仕方、果ては封筒の持ち方や歩き方まで教えますでもこのほとんどは広告代理店の時に教えていただいたあるいは体験したことです

プロ写真家=ビジネスマンであることをまず教えて、それから映画、音楽、絵画などなど多岐のことをアシさんたちに伝えます。つまりSNS人気=プロ写真家 あるいは単に良い作品が貯まったからプロになる、あるいは個展を開くというのは難しいのと底が見えてしまうということを今日はお伝えしたかったです

上手な写真を撮るのではなくて、しっかりした哲学とコンセプトで撮影することを覚えてほしい






by masabike | 2017-07-05 08:15 | 写真アート | Comments(0)