2015年 01月 22日 ( 2 )

FUJIFILM X series Facebook 1月21日より転載 精霊の島タスマニア


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「精霊の島タスマニア」
オーストラリア・タスマニア州

FUJIFILM X-T1 + FUJINON XF55-200mm/3.5-4.8
フィルムシミュレーション ASTIA/ソフト
撮影協力: タスマニア州政府観光局、カンタス航空

風景写真で一番大事なことは、レンズと被写体の間に存在する何か特別な存在、サムシングエルスを捉えること。特に作品作りではそれが最大で且つ最優先の事項だ。逆にそれが撮れなければ作品としての存在価値はないと言い切っても過言ではないと思う。ましてプロの写真家として存在するためには当然のこと。

そしてそのサムシングエルスを捉えるために一番守らなければならないこと、あるいはしなければならないことは熟成だ。時を熟成する、その土地とのコミュニケーションを熟成させる。ある意味、今はやりのテレビドラマのウィスキー造りに似ている。今回の作品の場所は、実は14年前にも一度訪れている。タスマニア中央部の高原地帯だ。14年前は、実はほぼ素通りしただけだった。その訳は、いろいろ車で走り歩きもしたが、僕のイメージは「何もないさびしい沼地」で作品には向かないなという印象だった。昨年6月FUJINON XF18-135mmのテスト撮影の際、ふと心の中に「14年前につまらなかった場所は、今再び訪れるとどうかな?」「新しいレンズだと違ったものが見えるかもしれない?」好奇心が心の扉を開けてくれて再訪した。そして驚愕した。「なんでこんな良い撮影地をほったらかしにしていたのだろう?」大きな疑問が一瞬心をよぎった。だが答えはすぐ思いついた。14年前には僕の体のリズムも心の眼も、この神秘の島に全然シンクロしていなかったことだ。つまりここを撮る為に心もリズムも熟成されてなかった。オーストラリアの本土の広大な砂漠を見る視点と心で見ていた。この森の奥に精霊が潜むのではないかと思わせる大地に、全然自分が熟成不足でシンクロしていなかった。そしていまはこの土地は僕の第二の故郷のような感じで、歩いていると自分と被写体の間に存在する何かをレンズを通して感じることができるようになった

実はこの熟成はデジタルカメラにとっても最も大事なこと。デジタルカメラの色再現は、それまでの多くの写真データの色のプロファイリングの熟成により成り立っている。多くのカメラメーカーがデジタルになり、今までフィルムに依存していた色再現あるいは画質設計を自社で行わなければならなくなった。カメラのメカ的な機能、電子的な部分の多くはコンピューターとかあるいは数値的な部分で設計できる。しかし色は実は正確な色というのは存在しない。コンピューターでは設計できない部分が多い。つまり写真の色で大事なことは心の印象の色だからだ。コピー機やテレビのモニターと違うのは、心の中の思い出や印象をどれだけ、思い通りにアウトプットするかだ。カメラで写真を撮るという行為の最後に、じつは一番難解な色再現という、熟成が必要な作業が待っている。多くのメーカーがここで苦悩する中、Xシリーズは富士フイルムが80年にわたり蓄積した色再現技術がここに凝縮されている。だから僕はいつもXで撮るたびにファインダーを覗きながら、モニターを確認しながら、「そうそうこの色、この諧調」とうなづいてしまう。それはまるでフィルム作品をルーペで1点1点確認する時と同じ気分。ファインダーを覗くたびに楽しくなる。たのしくなるから良い写真が撮れる。その繰り返しが時間を熟成して、この精霊の島で素晴らしい作品を撮り楽しむことができる。ぜひ熟成の色、皆さんもお楽しみください。ただし熟成するまでにはたくさんの失敗カットもある。これもまさにウィスキーと同じ。熟成するまでにウィスキーも1/3は蒸発してしまう。これを醸造家は「天使の分け前」と呼ぶ。写真も、よい作品を生むためには何千カットあるいは何万カットも撮る。それで出来る良い作品は1枚だけ。多くの時間エネルギーが天使の分け前で消えていく。

よいウィスキーもよい写心も熟成の間の天使の分け前がなくしては生まれない。

 
<トークイベントのご案内>
1/24(土)に東京のHondaウェルカムプラザ青山でトークイベントが開催されます。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/FUJIFILMXseriesJapan/photos/693198927468138/

 
Photography by Masaaki Aihara
http://fujifilm-x.com/photographers/ja/masaaki_aihara_07/


http://aiharap.exblog.jp/


by masabike | 2015-01-22 15:01 | タスマニア | Comments(0)

厳冬の午後


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FUJIFILM X-T1+50~140mm


手がちぎれそうなぐらい寒い、美ヶ原。でもそのぶん、素晴らしい光が降ってきた。強風&零下10度近くてもX-T1+50~140mmはしっかり良い仕事をしてくれた。昔、本田宗一郎さんが「レースは走る実験室」と言い、バイクや車づくりを実践で鍛えた。カメラも同じこと。フィールドは撮る実験室。X-T1はこの1年3か月多くのフィールドでテストして鍛えた。名ばかりのフィールドカメラではない戦える数少ないフィールドカメラだ。





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by masabike | 2015-01-22 14:53 | 日本風景 | Comments(1)