僕の本棚に古い絵本がある。昔はいろいろな生き物の絵が描いてあるカバーがあったが今は黒いハードカバーのままになっている本だ。本棚で一番古く一番思い出深い1冊。絵本のタイトルは
「せいめいのれきし」バージニア リー バートンさん作。幼稚園の年少組みぐらいの歳に母親が、確か池袋の西武か三越の本の売り場で買ってもらった本だ。
「せいめいのれきし」の内容は今日、宇宙の始まりの日があって、明日の朝、朝日が昇るまでのはなし。これを劇場でのお芝居の形で説明している。
そのころは前にもブログで書いたが身体も弱く、あまり外で遊ばない臆病な子供だったので、好きなことは絵を描くことと絵本を見ること。幼稚園の年少組みの2月、法定伝染病で2ヶ月の隔離生活。その間この本を持っていき毎日ベッドで眺めていた。外でなかなか遊ぶことが出来ず本の中から空想の世界を旅していた。いつか恐竜が歩いている世界を見たい。いつか生まれたばかりの地球がどんなところか見てみたい。
いつしか大人になって写真を撮りだし、プロとなり写真展を始めたときのコンセプトは「地球のポートレイト」 40億年生きている地球の笑ったり泣いたり微笑んだりした生まれたばかりの地球の表情。知らない間に子供のころ見た絵本の世界を自分の作品でオーストラリア大陸という地球最古の大陸を通じて表現していた。すべてがつながっていた感じがする。自分を作ってくれたご先祖様の件と言い、全てのことは繋がり必然性があり、そしてそれはひょっとしたら数百年、数千年、あるいは数万年前から仕組まれていたのかもしれない。
地球のポートレイトを撮ることはいまや、自分の使命だと思っている。そしていつの日か自分で写真絵本を作ろうと思う、アイハラバージョンの「しんせいめいのれきし」そしてその本は全ての子孫と、子供の時の心を忘れないでもらうための大人に、そして10億年後の子供たちのためにささげたいと。子供の頃の思いが知らない間に自分の人生を決めていたと思う。だから小さなお子さんを持つご両親にお願いいたします。どんな小さな、どんな些細な、どんな大人から見たらくだらなそうな夢でも、その子供の思いと夢を大事にしてあげてください。皆が偏差値と学閥エリートだけを目指したら未来には楽しい仕事、夢のある仕事、そして皆が喜んでくれる仕事をしてくれる人がこの国からはいなくなってしまう気がします。
もし僕の思いが未来に伝わり10億年後どこかの地球の地層から1冊の「あいはらまさあきせいめいのれきし」絵本が見つかり遠い未来の人たちが何か考え感じていただければとても嬉しいです。それが自分の未来に残せるDNAかもしれません。
最期に多くの夢を、空想を考えさせてくれたバージニアリーバートンさんに心から感謝を申し上げたい。自分の1冊が子供の心に残る1冊になってもらいたい。そういえば「せいめいのれきし」の最後の1節にこんなことが書いてあります
これからあとは、あなたがたのおはなしです。その主人公は、あなたがたです。
せいめいのれきし、読んでみたいとお感じいただけましたらクリックお願いいたします