大洋秋光図

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富士フイルム X Series Face bookより転載

「大洋秋光図」富山県 富山市 浜黒崎
FUJIFILM X-T2 + FUJINON XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR

360度、自分の周りには何もない。どんな広角レンズを使っても、その広さが入らない。広さが表現できない。僕は真っ赤な砂漠で悩んだ。オーストラリアの見渡す限り地平線の荒野。これを写真に撮りたくて、僕は約30年前に会社を辞めて、オーストラリアの奥地に旅立った。でも雲一つない、大荒野は大きさを表せなかった。

ある時、きれいな雲をバックに愛車のバイクの写真を荒野で撮った。その時、ファインダーで初めて大陸の大きさが表現できた。自然のダイナミックさ、奥行きを表すのには自然物だけでは不可能な場合もある。あるいは人工物をいれることにより、より奥行き感広がりプラス、作品としての味付けも加味される。いまだに世界最高の風景写真とも言われる、アンセル・アダムス氏の「ニューメキシコ 月の出」。遠方の山の手前に教会と墓地が写っている。しかも墓地の十字架は、残照で浮かび上がっている。山の荘厳さが教会と墓地の存在により、より高く高められていると僕は感じた。もしこの手前の人工物が無ければ、彼の作品性は、大きく変わっていただろう。

風景写真=自然物だけという法則は成り立たない。人工物をいれることにより、大自然の大きさ、あるいは神々示唆がより浮き立つならば、僕はそれを良しとしたい。

秋の気配を感じ、日本海でキャンプをしていた時、テントの隙間から淡いピンク色の空が見えた。目の前の浜辺に立った時、日本海と雲のドラマが始まった。天空に湧き立つ雲。だけど、そのスケール感が今一つでない。ふと海岸を見ると、漁船のための航路灯だろうか、浅瀬にポールが立っていた。この黄色い航路灯にも朝日が当たり、大洋の中で存在感を放っていた。僕は迷わず、この航路灯を主題にして、海と空の大自然の大きさを表した。

今年、僕が審査をやらせていただく「富士フイルムフォトコンテスト」ネイチャー写真部門は人工物等が、構図に入っていてもOKになりました。里山の風景や、大自然に立ち並ぶ人工物。2つの素材をうまくコラボさせた数多くの作品を心よりお待ち申し上げます。締め切りは10月20日です。まだ間に合います!!秋の光で力作を撮ってください。





by masabike | 2017-09-29 08:07 | 日本風景 | Comments(0)
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