富士山暁図


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FUJIFILM X Sreies FBより転載です


【和の「写心」 By Masaaki Aihara】

「富士山暁図」山梨県 本栖湖
FUJIFILM GFX 50S + FUJINON GF32-64mmF4 R LM WR
フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド

シャッターを押したとき、自分で気持ちが高ぶっているのに気がついた。息が荒い。富士山を撮りに来るのは数年ぶりだった。夏も終わりに近づく朝。天気予報を見ると、天気がかなり不安定。でも不安定な時こそドラマチックな出会いがある。

夏の富士山、ともすると絵葉書的になりやすい。でも不安定な天気は時として、吉と出る。ぼくは夏の空気感、できれば夏空の雲のH2Oの一粒までも克明に写しこみたくて、GFXを選んだ。5000万画素越えのハイスペックは克明に写る反面じゃじゃ馬。しっかりした三脚、レリーズ、そして露出を要求する。
午前4時前、まだ闇夜に富士山がそびえている。そしてわずかに雲の色が紫に変わると、その後は1秒ごとに色と明るさが変化する。僕は露出も小刻みに変え、かつアスペクト比も3:2、1:1、65:24と3つの変化をつけて撮りまくる。7種類のアスペクト比が選べるカメラは少ない。それだけ作画のバリエーションが広がる。32GBのカードが、まるで1GBのカードのように消費されていく。

そしてクライマックスは突然やってきた。自分の白いTシャツがなぜピンク色なのか疑問に思った瞬間、天空が真紅に染まった。そのとき僕は小細工せず、霊峰富士とまっすぐ対峙しようと思い、3:2のフォーマットを選択。構図も真正面より直球勝負した。こんな時は、プロでもあわてる。そして最高の瞬間ほどケアレスミスが出る。だがGFXのダイヤル操作、メニュー選択等はXシリーズで現場で鍛えられたもの。写真家が現場で何を考え、何を欲し、次にどんな行動に出るかを研究し尽くしたGFX。絶対にはずしたくない決定的瞬間に、写真家の気持ちに見事にこたえてくれる。

ハイスペックなカメラはいろいろある。でもハイスペックだけでなく写真家の心の動きにこたえてくれるカメラはとても少ない。撮影が終わりモニターを見たときに、笑いが込み上げてきた。満足の1枚。もしあなたが人生に残したい絶対的な1枚を撮りたいのであれば、僕はGFX以外、この宇宙には存在しないと思う。ぜひこれから訪れる秋の素晴らしい日本をGFXで撮るのはあなたの番です。

 




by masabike | 2017-09-07 08:17 | 日本風景 | Comments(0)
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