FUJIFILM X Series Face book 2月15日より


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【和の「写心」 By Masaaki Aihara】

「山間凍蒼図」 群馬県 赤城山 付近
FUJIFILM X-T2 + FUJINON XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド
ホワイトバランス(WB) 晴れ

陽が沈むと、あたりをそれまで覆っていたマゼンタからパープルの世界が一転してブルーの世界になる。その色変化とともに気温も一気に下がり始め、車の温度計はマイナス10度を示している。この夕暮れのマジックアワーとも、ブルーアワーともいわれる日没を挟んだ1時間半はXシリーズにとって一番おいしい時間でもあり、真価を発揮する時間。色彩と色温度は1分毎、いや10秒ごとに変化する。このときは樹氷にわずかに残る、残照のマゼンタを生かしたかったので、あえて落ち着くASTIAではなくVelviaを選んだ。そして少しだけ彩度(カラー)設定をマイナスにした。そしてWBは晴天モード。
「日も暮れているのになぜ晴天モード?」と疑問に思われるかもしれない。だが僕の色の基準はあくまでデイライトフィルムのVelviaでありASTIAである。写真展では銀塩フィルムでの作品と、並列して展示することが多い。そのためには、デイライトフィルムと同じような色温度変化を必要とする晴天モードを選ぶ。あえてWBをAUTOとか曇天にしない。常に写真展の時の展示を、念頭に置いて撮影する。それは写真展ではいかに自分の世界観を構築するかが大事で、視点、アングルだけではなく色彩もそうだ。

僕の場合は自分の世界観を確立できたかなと思い始めたのは1991年のVelviaを使い始め、オーストラリアロケをしてからだ。そしてそれが今まで綿々と続いている。基本はフィルムだった。
だから撮影で本格的にデジタルを使い始めたのは遅い。2007年からだ。なぜならそれまでのデジタルカメラでは自分の基準とした色が出なかった。世界観が変わってしまう。それでは写真展に使えない。だからフィルムシミュレーションを搭載したFinePix S5Proが出るまでデジタルでの本格的撮影はなかった。そしてその流れはXシリーズに踏襲されている。だから今でも僕は、フィルム時代と同じ感覚で撮影することができる。そして撮って出しで作品にできる色再現は、写真家を100%撮影に集中させてくれる。画像処理は昔の物語になるかもしれない。
Xシリーズに搭載されている、豊富なフィルムシミュレーション、そしてWB設定を組み合わせることで、自分だけの世界観を構築することが誰にでもできる。自分だけの世界観を撮るのに必要なのは、視点と写す心すなわち写心とXだと思う。
この週末、Xをもって写心を撮ろう!あなただけの世界が見つかるかもしれない。

 






by masabike | 2017-02-19 08:58 | 日本風景 | Comments(0)
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