北限孤島残照図

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facebookが見れないという方からのリクエストで転載しました

【和の「写心」 By Masaaki Aihara】

「北限孤島残照図」 北海道・サロベツ原野

FUJIFILM X-T1+FUJINON XF18-135mm/3.5-5.6
2秒 F6.4 -0.3EV ISO800 WB 晴天
フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド

シベリア大陸に逃げてゆく太陽を追いかけてバイクを北に走らす。1150ccの水平対向エンジン音が夕暮れの風とコラボして、ともすると写真を撮らず止まらずにこのまま永遠にバイクを乗り続けたいという誘惑が沸き起こる。丘の間からさす海風が冷たくなったとき夕暮れのシルエットで利尻富士が海から立ち上がる。バイクを止めて丘に登る。風はたんなる海風ではなく、その奥にユーラシア大陸の香りがした。

沈みゆく夕日が見事なグラデーションを空に描く。昔はこの色が出るのはVelvia 50の独壇場だった。でも今はXシリーズがあればそれと同じ効果が得ることができる。人によっては、夕日はあとからRAWデータをレタッチして作りこむという人もいるかもしれない。でも逆に作りこむと人の心の中の記憶色がネガティブに作用して現実とはかけ離れた作品を創りだしてしまうことも多い。現代アートと違いリアルフォトが基本となるランドスケープフォトでは、あまりにも現実離れはかえって素材あるいは見たときの感動をスポイルしてしまう。だから僕はフィルムシミュレーションとホワイトバランスと露出補正の組合せで、その場で作品を完成形に追いこんで撮影する。つまり撮って出しが一番完成形に近い形とする。そして今回はそれだけでは自分のイメージに近づけなかったので、補助光でキャンプの時のLEDヘッドランプを使った。北海道の北の端に来ると、このカリフラワーのお化けみたいな不思議な植物を道端でよく見かける。地元の人は雑草と思うかもしれない、これを見るとはるばる1500キロ旅してきていよいよ、日本列島の終わりの地も近いなと教えられる。利尻富士に沈む夕日に向かい、この植物たちがまるで「もうすぐ最北端だとよ」と手を振り挨拶してくれているように見えた。最初シルエットで撮影したが、より表情を捉えるために小細工してLEDライトを使用した。バイクでのキャンプツーリング。持てる物は限りある、その限りの中でどう作品を創りあげるかそれも楽しみであり旅の知恵。
そしてこの日の夕日はフィルムシミュレーションが見事に捕獲しくれた。
更にXシリーズはミラーがないので小型軽量の三脚でもレリーズを使えば大伸ばしにも耐えられる高画質の写真が撮れる。バイク、自転車、トレッキングなので大型の三脚が持てなくも簡単な三脚で高画質の作品が撮れるのはXの強みだと思う。

旅の楽しみながら作品を物にする。X-T1は相反する旅の欲望をかなえてくれる理想の旅カメラだと僕は思う

Photography by Masaaki Aihara
http://fujifilm-x.com/photographers/ja/masaaki_aihara_07/


http://aiharap.exblog.jp/

 
追伸
8月の土砂災害に遭われた利尻島・礼文島の皆様にこの場を借りてお見舞い申し上げます


by masabike | 2014-10-24 22:15 | 日本風景 | Comments(2)
Commented by pretty-bacchus at 2014-10-25 00:20
素晴らしい〜〜〜!
なぜか北斎の富士を想いました。
Commented by masabike at 2014-10-25 10:55
pretty-bacchusさんへ
過分なお褒めの言葉ありがとうございます
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