最近少し堅い話が多くてすいません、そのうちグルメブログに戻ります(笑) 先週までの韓国写真展、自分にとってはとてもいいターニングポイントになったと思います。意外と日本より儒教の国なので保守的と思ったところ(単に個人的なへんな先入観ですが)とてものびのびとしていたのでビックリしました。写真展にお越しいただいた日本からのお客様が「韓国の書の個展を見たけどとてものびのびと書いていて見ていて楽しかった」というお話をお聞きしました。同じ日に僕の個展にお越しいただいた韓国のお客様より、手前味噌的なお話で申し訳ないのですが「とても楽しく伸び伸び撮影し作品を創っているのでよかったです。どうしても日本の写真家の作品は綺麗なのですが小さくまとまりすぎていてもっとのびのびすればいいのにと思っていました」というお言葉を同じ日にいただき嬉しかったです。 「のびのび」ここにキーワードがあると思います。子供の頃4年ほど美術の先生から油絵の特訓を放課後受けていました。通常の授業中水彩画を描いていると「どうしてのびのび油絵の時みたいに描けないの?」と美術の先生から言われました。授業中はどうしても友達からどう見られるか、とかいい点が美術で取れるようにとか思ってしまっていました。でも放課後の時は書きたいように自分の世界だけに没頭して描いていました。その気持ちの違いが絵に出てしまっていたみたいです。のびのびとっても大事です。のびのび描くためには頭で考えずに気持ちに従うことです。写真も当然同じです。技術や技法も大事ですがいつかどこかで頭打ちがきます。 撮影現場をどうやって決めるか?それも同じです。撮影ガイドブックに頼るのも最初のうちは良いと思います。でもずっと撮影していると何か自分なりの見方が出てきます。その時はガイドブックから外れてみるのも最初の一歩で良いのではないでしょうか? 上の写真はタスマニアを本格的に撮影するきっかけになった最初の1枚です。この撮影以前にもタスマニアには行っていたのですが、もう一つ??という感じでした。たぶん自分と大地がその当時はシンクロしていなかったのだと思います。この木はまるっきり人気のないトレッキングルートにあります。でも毎日その近くで撮影していてそのルートが気になりました。地元のレインジャーに聞いても「あまりオススメしないよ」というのが多くの意見でした。でもなにか呼んでいる感じがしました。ある天気にいい朝、軽いハイキング気分でそのルートに入りました。森を抜け、丘を一つ越え、2つ越え、3つ越え、でもまだまだ何かこの奥にありそうだと思いました。時には腰までのぬかるみにはまり前進しました。何番目かの丘を越えると次の丘の上に1本の木が立っていました。まるで僕を見てその大きな枝で手招きしているみたいでした。「これだ!!」と直感しました。 木にたどり着きました。銀色に輝く立ち枯れの木でした。この木がタスマニアに呼んでくれたみたいでした。木に触れているとき、うちのアシスタントの女の子が「この木、もう死んじゃっていますよね」といった時、触れている手を通して「まだ生きているよ」と僕の心に木が語りかけてきました。ビックリしました。そのあと無性にこの木がとりたくなりました。木の周りでランチを食べながら3時間ぐらい撮影しました。そのあと1週間信じられないような光景が毎日タスマニアで撮れました。偶然ではここまでは撮れないと、思いました。アシスタントさんもそう思うといっていました。僕は自分があの立ち枯れの木にここを撮るようにと招かれいわれたと確信しました。帰国しタスマニアの撮影に専念するために、オーストラリア本土に残された宿題、砂漠の撮り残していた場所の撮影をこなすため2ヵ月後再び豪州へ。そしてその後タスマニアの撮影に専念。2ヶ月~3ヶ月ごとにタスマニアに通いました。広告の撮影もお休みして行きました。代理店やプロダクションの人は無謀だ!仕事なくなるよという人もいました。でも心は撮りたいことで暴走していました。その結果いい作品も撮れおかげさまで失業もせず皆様とブログで毎日お会いできる日々を過ごしています。やはり自分の直感を信じてよかったと思います。やはり写真から写心への脱却が必要だとタスマニアでは感じました 写真を撮る、いい写真を撮るほかのことも同じだと思いますが感覚がとても大事です。まして多くの方が写真を趣味で楽しく撮るのなら自分の直感、感覚、気持ちに従いのびのび楽しくとるのが良いと思います。コンテストに入るためにでもなく、賞を取るためにでもなく、自慢するためにでもなく、自分の心に従い楽しく自分の心が満足するように撮るのが一番いいのではと考えます。映画「スターウォーズ」で主人公のルークスカイウォーカーがクライマックスでデススターという巨大な要塞を攻撃する時、彼の師匠が彼の心に「コンピューターに頼るな自分の直感を信じろ」といい彼の戦闘機の攻撃コンピユーターを切らせて直感を頼りに攻撃させ成功するというシーンがあります。あれだけILMというCGを駆使する会社を作ったジョージルーカスが映画のせりふにこんなシーンを織り込んだのも最終的には技術ではなく感覚だと言いたかったのではないでしょうか? 今日は長くなりましたが皆さんが今日も楽しい写真が撮れますように!! 今日も楽しく写心撮るよという方クリックお願いいたします
by masabike
| 2009-02-23 09:33
| 写真アート
|
Comments(12)
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photo_artisan at 2009-02-23 12:26
私も宮古島には「喚ばれた」と思ってます。
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ステップ
at 2009-02-23 17:59
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うーん これぞ相原ワールド どっぷりつかりました。
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上海狂人
at 2009-02-23 18:26
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この最近声を掛けられます。
“おまえ良いカメラ持ってるじゃないか、俺を撮ってくれよ” “ボクのカメラはコレクションで満足いくようには撮れないよ”といっても “バカいうな!そんなカメラで撮れないわけがないだろ!綺麗に撮ってくれよ” 単なる脳内妄想かと思っていましたが、そういう瞬間ってあるんですね。 向こうからシンクロしてくるのに、こちらの技量が追いつきません。 カメラが趣味から、撮ることが生甲斐に変わりそうです。 いつか大自然の中で写真展をしてみたいです。 彼等が僕の写真を見てなんて言ってくれるのか。
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travelster at 2009-02-23 20:28
>自分の心に従い楽しく自分の心が満足するように撮るのが一番いいのではと考えます。
背中をポンと押されるようなアドバイスです(^^) 写真エピソードは読み応えありますね。 相原さんと一緒にその場に居るようですよ!
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at 2009-02-23 22:00
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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Pombo_Brasil at 2009-02-24 00:59
ガツンですっ!
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masabike at 2009-02-25 08:29
photo_artisanさんへ
宮古島写真展いかがですか?
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masabike at 2009-02-25 08:30
ステップさんへ
来年再度仙台で写真展です
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masabike at 2009-02-25 08:31
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masabike at 2009-02-25 08:32
travelstaerさんへ
お褒めの言葉ありがとうございます。ぜひタスマニアお越しください
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masabike at 2009-02-25 08:33
marimariさんへ
屋久島は一度撮影と山登りかねて行きました。とてもいいところでした。また行きたいです、タスマニアににています
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masabike at 2009-02-25 08:33
ブラジルさんへ
ガツンでしょ!!
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プロフィール
1958年東京都出身。日大法学部新聞学科卒。7年半のサラリーマン生活の後、パリダカールラリーを目指し、そのステップとしてオーストラリアへバイクでの砂漠縦断に行くが、そのままオーストラリアの虜になる。
現在はフリーカメラマンであり、フレンド・オブ・タスマニア(親善大使)としても活動中。 メールはこちらにお願いいたします。 masabikejp@yahoo.co.jp 写真のテクニカル的な質問には、クライアントさんとの関係もありお答えできない場合がございます。ご了承下さい。 ※ サイト内の写真の使用ならびに無断転用を禁じます。 Copyright©MASAAKI AIHARA ↑ブログランキング参加中。是非クリックして下さい。よろしくお願いします。 ◆相原正明オフィシャルHP New Photography coming Masaaki Aihara Official HP Masaaki Aihara Face book Face book 友達申請の時は必ずコメントお願いいたします。コメントがないと商人いたしまねます。 *相原正明作品収蔵のタスマニアクレイドルマウンテンThe Wilederness GalleryのHP http://wildernessgallery.cart.net.au/cat/2047951.html ◆相原の大型作品が 4点展示されています。 2007.4.27 OPEN モダンオーストラリアン レストラン「Salt」 http://www.pjgroup.jp/salt/ 新丸の内ビル6F (東京駅丸の内北口) ◆ご希望がありましたら、下記『ライフログ』より相原の作品をご購入いただけます。 タスマニアの四季を9万カットの中から厳選した写真集「静かな場所」と、13年間のオーストラリア撮影の総決算DVD写真集「虹大陸」がございます。 ライフログ
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